50歳ころを境に、手の痛みやしびれ、こわばりなどを訴える女性が多くなります。「年だから」と放置していると、指の変形につながることもあります。そこで、国内でも珍しい「へバーデン結節外来」を掲げ、日々、手指のトラブルに悩む人の悩みを解決している、富永ペインクリニック院長の富永喜代先生に、手指の痛みをマッサージで軽減するメカニズムを教えてもらいました。
痛みの感じ方が変化 手指の不調が改善!
「10秒神経マッサージは、体の浅い部分を走る神経を刺激することで痛みをやわらげます」と、富永先生。なぜ、マッサージで手指の痛みが軽減するのでしょう?
「痛みを伝えている神経の〝神経ポイント〟にマッサージで物理的な刺激を与えると、その刺激が脊髄を通り脳へと伝わります。すると、脳から〝痛みを抑える物質〟や〝痛みのシグナルが伝わるのを抑える物質〟が分泌されます。痛みの情報が抑えられることで、痛みを感じにくくなるのです」(富永先生)。
手指に痛みやこわばりがあると、日々の動作に支障が出ます。10秒神経マッサージで、手指の悩みとさよならしましょう。
10秒神経マッサージで痛みが消えるメカニズム
痛みを伝えている神経の「神経ポイント」を刺激する
① 刺激したシグナルが脊髄を通り、脳へと伝わる
②刺激したシグナルが脊髄を通り、脳へと伝わる
③脳から痛みのシグナルが伝わるのを抑える物質が出る
④痛みがやわらぐ
手指の動きや痛みを伝える3つの神経にアプローチ
●尺骨(しゃっこつ)神経
手首、手指を曲げる動きのほか、親指の付け根の筋肉をのぞく手の筋肉の動きに関わっています。
小指と、薬指の小指側などの痛みを伝えます。
●正中(せいちゅう)神経
手首や手指を曲げるほか、親指の付け根の筋肉の動きに大きく関わります。
親指から人さし指、中指、薬指の中指側までの手のひら側の痛みを伝えます。
●橈骨(とうこつ)神経
ひじの関節の曲げ伸ばし、手首をそらす、手指を伸ばすなどの動きに関わっており、手の甲側の親指、人さし指、親指の付け根などの痛みを伝えます。
手のひら
手の甲
取材・文/笑(寳田真由美)イラスト/堀江篤史