ピーマン独特の苦みは「ピラジン」と呼ばれる香り成分とポリフェノールによるもの。血液サラサラ効果が期待できると注目されています。
なんとこの「ピラジン」、皮よりワタの部分に豊富に含まれています。さらに種といえば発芽に必要な栄養分を蓄える、いわば栄養の宝庫ですから捨てるのはもったいない! ワタや種も丸ごといただきましょう。ピーマンのβカロテンは、油脂と一緒に摂ると吸収率がアップします。
■ピーマンの栄養、3つの注目ポイント
注目1.ワタと種の栄養価は皮よりも高い!
加熱するとワタの苦みや種の食感は気にならなくなるので、どんどん丸ごと使ってみてくださいね。
注目2.色が薄い方が栄養分が多め!
皮の部分はビタミンCやβカロテンなどが豊富。じつは色が薄い方が新鮮で、栄養価も高いのです。
注目3.加熱しても壊れにくいピーマンの栄養分
熱に弱いビタミンCですが、ピーマンのビタミンPが熱で壊されるのを防いでくれるため、加熱しても栄養価はほとんど変わりません。
種を取って使うときは...
1 炒め物は縦切り
繊維に沿った切り方。細胞を壊さないので栄養分が抜けにくく、シャキシャキとした食感が残ります。炒め物などにおすすめ。
2 生は輪切り
繊維を断ち切ることで、食感がやわらかくなります。サラダなどにおすすめ。
■旬のピーマンレシピ
種が肉だねをしっかりキャッチ!片面焼きでピーマンの食感を残します
「ピーマンの肉詰め」
材料(2人分)
ピーマン(種ごと)...4~5個
豚ひき肉...130g
塩...小さじ1/4
溶き卵...1個分
パン粉...大さじ3
おろししょうが、しょうゆ...各小さじ1
ごま油...大さじ1/2
<A>
・みりん、しょうゆ...各大さじ1
・砂糖...小さじ1
・酒...大さじ1/2
作り方
1 ボウルに豚ひき肉と塩を入れてよく練り混ぜ、溶き卵、パン粉、おろししょうが、しょうゆを加えてよく混ぜる。
2 ピーマンは縦半分に切り、1 の肉だねを等分にしてピーマンに詰める。Aの調味料を混ぜておく。
3 フライパンにごま油を熱し、2 の肉の面を下にして並べ入れこんがりと色づくまで焼く。ふたをして弱火にして約4~5分蒸し焼きにする。Aを加えて弱めの中火で照りがでるまで焼き絡める。
◎ポイント
種を残すと肉だねがはがれにくく、"接着剤"代わりの小麦粉は不要。蒸し焼きにして、なるべくひっくり返さないようにします。
「今日のピーマンは小ぶりばかり...」そんなときは丸ごと煮込んで使いましょう
「丸ごとピーマンと鶏肉のトマト煮」
材料(2人分)
ピーマン(種ごと)... 4~5個
鶏もも肉...1枚(200g)
塩、こしょう... 少々
オリーブ油...大さじ1/2
にんにく(みじん切り)... 1片
白ワイン...大さじ1
トマト水煮缶...1/2缶(200g)
コンソメ(顆粒)、砂糖...各小さじ1
みそ...大さじ1
作り方
1 鶏肉はひと口大に切り、塩、こしょうをもみ込む。ピーマンは手で握ってつぶす。
2 鍋にオリーブ油とにんにくを入れて中火で熱し、香りがたったら、鶏肉の皮を下にして並べ入れて焼く。焼き目がついたら裏に返してさっと焼き、白ワインを加えて煮立たせる。
3 ピーマンを加えてさっと炒め混ぜ、トマト水煮と水1/2カップ(分量外)、コンソメ、砂糖、みそを加えて混ぜ合わせ、時々かき混ぜながら汁けがなくなるまで、弱めの中火で10~15分煮る。お好みで粗びき黒こしょう(分量外)をふる。
◎ポイント
1で握ってつぶすのは果肉に空気の抜け道を作るため。ピーマンがはじけるのを防ぎます。
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取材・文/峰岸美帆 撮影/梶原英輔