足裏の筋肉を柔らかくして「足底腱膜炎」予防!「ゴルフボールぐりぐり体操」

健康のためにウォーキングやジョギングを実践されている方も多いのではないでしょうか。でも実は、足裏に負荷をかけ過ぎると「足底腱膜炎」になるので、注意が必要です。そこで今回は西調布整形外科院長の佐野みほろ先生に、足底腱膜炎を予防&改善する体操を教えていただきました。

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症状改善も予防も"3ヶ月ストレッチ"でOK

足底腱膜炎は硬くなった筋肉をストレッチでほぐすことで症状は3カ月程度で消えることが多いそうです。その一つの方法は「ゴルフボールぐりぐり体操」。ゴルフボールやテニスボールなど、自宅にある小さなボールを足の裏でコロコロと転がすだけ。ボールで土踏まずに少し圧力をかけるイメージです。

この「ゴルフボールぐりぐり体操」を朝起きたときに行うことで、足底腱膜の柔軟性を取り戻すことができます。朝起きたとき以外にも、テレビを見ながらなど、ふと気がついたときに行うとよいそうです。ただし、棒状のもので足の裏を押すようなマッサージは避けましょう。

「足底腱膜炎の痛みがあるときに、足の裏を強く押したりもみほぐしたりすると、炎症がひどくなって悪化することがあります」と佐野先生。

足底腱膜炎の改善と予防には、優しく少し負荷をかけるようなストレッチが役立つのです。足裏の筋肉をほぐすためには、足指での「グーパー」体操も効果的。全ての足の指をギュッと握るように「グー」にして、その後に指を開いて「パー」の形にします。

土踏まずには指を握るときに使う筋肉があるため「グーパー体操」をすると足の指がスムーズに動くようになるのです。すると、歩いて足を反らしたときに、足の指に重心を乗せることができるようになり、足底腱膜への負荷や足首が硬くなるのを防ぐことができるそうです。

「『グーパー体操』は足底腱膜のストレッチに役立ちます。グーパーが簡単という方は『チョキ』も加えて、毎日、最低でも両足で10回程度は繰り返しましょう。最初は難しいと感じても自然にできるようになります」と佐野先生はアドバイスします。

アキレス腱を柔らかくするためにアキレス腱を伸ばすストレッチも大切。

いすにつかまってもよいですし、壁に両手をついて伸ばす方法もあります。片足1回3セットずつをゆっくり行いましょう。

「足底腱膜炎は足首が硬いと起こりやすいため、アキレス腱を柔らかくすることはとても大切です。でも、頑張り過ぎるのはケガのもと。無理のない範囲で取り組みましょう」と佐野先生は注意を促します。

痛みを早く取り除きたいからと、ストレッチを頑張り過ぎるのは逆効果。痛みやもみ返しが生じない範囲で、「気がついたときに」こまめに動かすとよいそうです。

「歩くときには足を覆う安定感のある靴を選び、専門家の指導の下、インソールを使うだけでも足底腱膜炎の症状がよくなる人もいます。靴も見直すことが大切」と佐野先生。

自分の足に合ったウオーキングシューズを選び、ストレッチも取り入れ、快適な歩行を実現しましょう!

足底腱膜炎を予防 & 改善する体操

足裏の筋肉を柔らかくするゴルフボールぐりぐり体操

片足20秒3セット × 1日3回

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いすやベッドに座り、ゴルフボールやテニスボールなどを床に置き、足の裏(土踏まずの辺り)でコロコロとボールを転がします。少し 圧力をかける程度の力加減で約20秒行うのが1セット。もう一方の足の裏でも行い、左右の足で1回3セットずつが目安です。

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ボールを転がす代わりに竹踏みを行ってもよいです。立って行うと圧力が強過ぎるので、座って力を加減しながら行うのがコツ。

アキレス腱を伸ばすゆっくりストレッチ

片足20秒3セット × 1日3回

左足を後ろに引き、右ひざを曲げてかかとをゆっくり伸ばす。次にもう一方の足でも行います。左右の足で1回3セットずつ。1日少なくとも3回が目安です。

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イスなどにつかまり、両足を肩幅くらいに広げて立ちます。

足裏の筋肉を柔らかくして「足底腱膜炎」予防!「ゴルフボールぐりぐり体操」 1910p089_04.jpg左足を後ろに引き、右ひざを曲げながらかかとをゆっくり伸ばします。

いつでもどこでも足指グーパー体操

5回 × 1日3回

グー・パーを両足で5回繰り返す (片足ずつ行っても良い)。慣れてきたら、親指と人差し指だけ開く「チョキ」にも挑戦。毎日少なくとも3回は行いましょう。

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いすに座り、両方の足の指をギュッと握って「グー」の状態にして5秒数えます。

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次に指を全部開いて「パー」の状態にして、同じく5秒数えます。

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<教えてくれた人>

西調布整形外科院長

佐野みほろ(さの・みほろ)先生

長崎大学医学部卒。順天堂大学整形外科学教室入局後、同大学附属順天堂医院及び関連病院勤務。 2005~13年山王病院整形外科を経て15年から現職。手術をしない保存的治療としての運動療法に尽力。

この記事は『毎日が発見』2019年10月号に掲載の情報です。

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