自分の体が思うようにならない...、そんな違和感がありませんか? 女性は特に40代以降、更年期や閉経という新しいモードに入っていく過程で、なんらかのトラブルはつきものです。そこで、『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)より、女性家庭医である著者が提案する、それぞれの年代で起こる女性の体の変化への「上手な対応策」を、連載形式でお届けします。
高血圧に注意!
女性ホルモンの低下は血管にも影響を与えます
実は女性ホルモンはさまざまな形で、女性の体を守ってくれています。
そのひとつが血管です。
血中のコレステロールを制御したり、血管をしなやかに保ったり.........その女性ホルモンの量が低下するのですから、50代は血管の劣化にも気をつけなければなりません。
さらに女性に限らず、50代にもなると加齢によって血管は硬く、詰まりやすくなり、破裂のリスクが高まります。「50年使った水道管」と考えれば、察しがつきますよね。
この状態で高血圧を放置することは、極めて危険なことです。脳卒中、心不全、腎障害、動脈瘤など、いずれも高血圧が主な原因です。
「私、血圧は昔から低いの」という方も、加齢によって自然と血圧は高くなっていきます。年に一度の健康診断だけでは、気がついたら注意領域.........ということも。
やはり家庭に血圧計を備え、日常的にチェックしたいものです。
朝、起きてすぐの状態で血圧をチェックしましょう
家庭で血圧を測るタイミングは起床直後が最適です。
朝起きてすぐというと、頭がボーッとしていて血圧も低そうですが、実は安静状態に限って言えば、この時間帯が一番血圧が高くなります。
体は眠りから覚める少し前から、日中に活動できるようにフル回転で準備を始めているのです。ですからこの時点で血圧が標準値に収まっていれば、逆に安心というわけです。
起床して排尿を済ませた直後に、椅子に座って測定します。
小一時間もすると血圧は日中の定常状態になりますので、忙しい朝とは思いますが、朝食後ではなく起きたてに測定してくださいね。
基準値はさまざま言われていますが、上135/下85までが基本です。
生きている限り、血圧は刻一刻と変化します。朝に3度測ると、1回目、2回目、3回目と下がっていく場合が多いものですが、どれもあなたの本当の血圧です。
深呼吸をひとつすれば、上の血圧が10くらい下がることは普通にありますし、前日の飲酒量や塩分摂取量が多いと血圧が上がることもあります。寝不足や体調不良でも上がります。
その上で、低いところだけ見るのではなく、むしろ高いときの値を見逃さないでください。
毎日測る必要はありませんが、高い数値が出た場合は1日おきに測って様子を見ましょう。逆に正常値であれば、月に一度程度のチェックでも十分です。
イラスト/加藤陽子
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