がんを防いで健康的に暮らすために! 「やってはいけない」6つの「生活習慣」の新常識とは?

「がん」にかかることなく健康的に暮らすために。食事、生活習慣、そして検診の3つを通して「がん」を防ぐ方法を学んでみましょう。今回は健康増進クリニック 院長の水上 治(みずかみ・おさむ)先生に「『がん』を防ぐためにやってはいけない生活習慣」についてお聞きしました。

【前回】女性の2人に1人ががんになる時代。「やってはいけない」9つの「食事」新常識/がんを防ぐ!「やってはいけない」20のこと

●「やってはいけない」生活習慣編

間違った生活習慣が免疫細胞を減らす

免疫細胞を増やし活性化させること、これが「がん」にならないための最善策です。

そのためには正しい知識を身に付け、毎日の生活習慣に取り入れることが大切です。

まずはここに挙げた「やってはいけない」ことを、生活から排除するようにしましょう。

「『がん』は基本的には遺伝しません(大腸がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、皮膚がんは家系の影響が比較的大きいとされていますが、絶対ではありません)。親族に『がん』になった人がいないから自分は大丈夫、などと楽観視せず、誰もが『がん』にかかる可能性があることを心に刻み、生活習慣を見直しましょう」(水上先生)

1.やせ過ぎる・太り過ぎるのはダメ

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「がん」に限らず、肥満は健康に良くないもの。でも、やせ過ぎていても「がん」のリスクが高まると、国立がん研究センターが発表。「がん」を予防するには、適正なBMI値を保つようにすることが大切です。上のBMI値内に数値が収まるよう食生活を見直すとともに、運動習慣を適度に取り入れましょう。

【がんのリスクが上がらないBMI値は】

女性=19.0~24.9
男性=21.0~26.9

2.ストレスを気にし過ぎるのはダメ

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10万人の男女を追跡調査した論文によると、女性はストレスに強いため、ストレスにさらされていても「がん」のリスクはほぼ上がらないのだそう。ストレスを受けることに対して、あまり敏感にならなくても大丈夫です。

3.日焼けを過度に避けるのはダメ

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水上先生が知る限り「日本人が日光を浴び過ぎて皮膚がんを発症した例はない」とのこと。光を避け過ぎてしまうと、カルシウムの吸収を促し骨量の維持に役立つビタミンDが体内で作られなくなってしまうので、日焼け予防はほどほどに行うようにしましょう。

4.運動をしなさ過ぎる・やり過ぎるのはダメ

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適度な運動は、免疫力アップに最適。1日40~60分、軽く汗をかく程度の運動を行いましょう。マラソンなどの激しい運動は、活性酸素をためて細胞を傷つけ、免疫を不活性化してしまうので逆効果です。

運動になるおすすめ生活習慣】

● 移動手段を徒歩や自転車に
● 積極的に外出する
● 仕事や家事の合間にしっかり体を動かす
● 地域の運動施設やスポーツイベントを活用する

64歳以下は歩行または同等以上の身体活動を1日60分。65歳以上は同様の身体活動を無理のない程度に40分行うことが推奨されています。また、息がはずみ汗をかく程度の運動も週に1回程度行いましょう。コロナ禍ではありますが、感染対策をし、意識して体を動かす習慣を作ることが大切。免疫を高め「がん」や生活習慣病を予防する最善策になります。

5.タバコを吸うのはダメ

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ハーバード大学の論文によると「がん」の原因の30%が喫煙習慣だと言われています。つまり「タバコ」をやめれば「がん」になる確率を30%減らせるということに。速やかに禁煙することをおすすめします。

【タバコに含まれる発がん性物質】

●ベンゼン
●2-アミノナフタレン
●クロム
●ニッケル
●カドミウム
●ベンゾピレン
●ヒ素

6.副流煙を吸うのはダメ

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タバコ以上に発がん性物質を含んでいて危険なのが「副流煙」。夫が1日20本のタバコを吸っていると、タバコを吸っていない妻が「肺がん」になるリスクは2倍になるといいます。家の中は禁煙」が正解です。

副流煙(受動喫煙)を防ぐには...】

●全面禁煙の店や 施設を利用する
●タバコを吸ったら、必ずうがいをしてもらう
●タバコのにおいがする場所・人にはできるだけ近寄らない

取材・文/和栗 恵 イラスト/木波本陽子
 

<教えてくれた人>

健康増進クリニック 院長
水上 治(みずかみ・おさむ)先生

医学博士、公衆衛生学博士。患者の立場に立った医療を展開中。『日本一わかりやすいがんの教科書』(PHP研究所)をはじめ、「がん」についての著書多数。

この記事は『毎日が発見』2021年10月号に掲載の情報です。
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