手根管症候群などに。爪を立てて刺激する「人さし指の付け根」の10秒神経マッサージ

50歳ころを境に、手の痛みやしびれ、こわばりなどを訴える女性が多くなります。「年だから」と放置していると、指の変形につながることもあります。

そこで、国内でも珍しい「へバーデン結節外来」を掲げ、日々、手指のトラブルに悩む人の悩みを解決している富永ペインクリニック 院長の富永喜代先生に、手根管症候群や母指CM関節症、手首の腱鞘炎などの方におすすめしたい「人さし指の付け根」の10秒神経マッサージを教えてもらいました。

神経をピンポイントで刺激して手指の痛みをラクに!

10秒神経マッサージは、体の浅い部分を走る神経を刺激することで痛みをやわらげるセルフマッサージです。
正しいやり方を覚えて、手指の不快な症状の軽減に役立てましょう。

●10秒神経マッサージ 基本のお約束

・痛い方の手だけ行う
・朝、夜の1日2回行う
・1回のマッサージは10秒!
・親指の爪を立てて行う
・イタ気持ちいい強さがベスト

●押す順序

①手首(親指側)
②人さし指の付け根<今回はココ!>
③指の第1関節(両わき)
④手首(小指側)

人さし指の付け根

●押すのはココ!

人さし指の付け根部分の骨の下側に走る橈骨神経を刺激。
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親指の爪を立てて10秒間、グリグリと刺激する

神経ポイントに親指の爪を立てる。

ほかの4本の指は手のひら側に添え、親指の爪と4本の指で挟み込みながら10秒間刺激。

親指の爪を人さし指の骨のキワに食い込ませ、骨の下側の肉をそぎ落とすような感覚で小刻みに揺らすといい。
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親指と人さし指の股から押すのはNG

指の股から手を入れると、合谷をマッサージしてしまいがち。親指の外側から押しましょう。
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押し方を間違えると、効果はありません!

親指と人さし指の骨が交わったところの近くには、「合谷(ごうこく)」と呼ばれるツボがあります。

東洋医学でおなじみのツボなので、聞いたことがある人も多いかもしれません。

このツボを揉むと気持ちはいいのですが、手指の痛みやこわばりなどの改善にはまったく効果がありません。

10秒神経マッサージで押す「神経ポイント」と「ツボ」はまったくの別物です。

押すときには、間違わないように十分に注意しましょう。
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取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/堀江篤史

手指の痛みが気になる!『10秒神経マッサージ』一覧はこちら

 

<教えてくれた人>

富永喜代(とみなが・きよ)先生

富永ペインクリニック院長。 医学博士。日本麻酔科学会認定麻酔科専門医、産業医。1993年より、聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、延べ2万人を超える臨床麻酔実績を持つ。2008年、クリニックを開院。

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『指先の激痛・腫れ・しびれ ヘバーデン結節は自分で直せる!』

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日本初のへバーデン結節外来を開設した痛み治療の名医が考案し、大きな治療効果を上げているセルフケア方「10秒神経マッサージ」を紹介。痛みの撃退法はもちろん、さまざまな予防・改善法まで詰まった一冊。

この記事は『毎日が発見』2020年1月号に掲載の情報です。
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