「糖質」が大幅にカットされ、さらに免疫力も上がる調味料があるとしたら...。実はあるんです! それが「飲む点滴」とさえ言われ大ブームを起こした「糀甘酒」です。「砂糖を糀甘酒に置き替えるだけで糖質80%オフ、しかも350種以上の栄養成分があるので体の調子が整います」と調味料研究の第一人者・前橋健二さんは語ります。そこで、発酵調味に精通する前橋さんの著書『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』(アスコム)から、「糀甘酒」の効果や使い方、また料理研究家・あまこようこさんと共に考案したレシピの一部をお届けします。
「糀甘酒」は熱中症予防と夏バテの防止に効果大
甘酒に対して、寒い時期に温かくして飲む物、お正月の定番、というイメージを持たれている方は多いと思います。
しかし、俳句の世界において甘酒は、夏の季語に分類されていることをご存じでしょうか?
これは、「糀甘酒」が庶民に浸透した江戸時代に、夏場に好んで飲まれたことに起因します。
甘酒といえば夏の飲み物というのが、今から数百年前の常識だったのです。
当時は現在に比べ、医学も食品栄養学も発展しておらず、「糀甘酒」に含まれる成分やもたらされる健康効果について、科学的に理解されていたわけではありません。
でも、江戸時代の人々は知っていました。
夏場に飲む「糀甘酒」は、体力の減退を抑え、暑さに耐え抜ける元気な体づくりに貢献してくれるということを。
すなわち、熱中症予防と夏バテ防止に「糀甘酒」が効くということもまた、当時の人々にとっては周知の事実だったのです。
冷蔵庫もエアコンもない時代ですから、食中毒や熱中症に悩まされる人はかなりの数に上ったことでしょう。
そんな江戸時代の人たちにとって、「糀甘酒」はとても頼りがいのある飲み物だったに違いありません。
「糀甘酒」の栄養価がきわめて高く、「飲む点滴」と言われていることは先述の通りで、飲むと体の底から元気がわいてきます。
ここでオススメしたいのは、「糀甘酒」に少量の塩を入れて飲む方法です。
塩を入れることによって甘みがグッと引き立ち、飲みごたえが増します。
この現象を「対比効果」といい、スイカに塩をかけて食べることを思い浮かべると、その効果 をイメージしやすいはずです。
さらに、熱中症予防に不可欠な塩分とエネルギーを同時に補給できるというメリットもあります。
これを機に、「糀甘酒」は寒い時期に飲む物という認識を改め、暑い時期にも当たり前のように飲む生活をとり入れてみてください。
熱中症対策にも抜群の冷たいじゃがいものスープ
▼ひんやりビシソワーズ
〔1人分〕135kcal
食物繊維:2.2g
材料(2人分)
じゃがいも...2個
玉ねぎ...1/4個
水...400ml
糀甘酒...大さじ3
コンソメ(顆粒)...小さじ1/4
塩...小さじ1/2
パセリ(みじん切り)...適量
作り方
①じゃがいもと玉ねぎは薄切りにする。
②鍋に①と水を入れ、野菜がやわらかくなるまで蓋をして煮る。
③火を止めて糀甘酒を加え、ミキサーなどで撹拌し、コンソメ、塩で味をととのえて冷蔵庫で冷やす。
④③を器に入れ、パセリをのせる。
<Point> じゃがいもをたっぷりと使った、のどごしのいい冷製スープ。
ビタミンやエネルギー源を多く含むので、食 欲のないときや熱中症対策にもぴったりです。
だしいらずの豚汁で体の芯から温まる
▼根菜たっぷり! コク旨豚汁
〔1人分〕190kcal
食物繊維:2.6g
材料(2人分)
豚こま切れ肉...80g
にんじん...50g
ごぼう...30g
大根...60g
ねぎ...5cm
水...400ml
みそ...大さじ1と1/2
糀甘酒...大さじ2
サラダ油...小さじ1
作り方
①にんじんは半月薄切りに、ごぼうは斜め薄切りに、大根はいちょう切りに、ねぎは小口切りにする。
②鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、豚肉を炒める。
野菜を加えて炒め、しんなりしてきたら水を加えて蓋をし、野菜がやわらかくなるまで煮る。
③いったん火を止めて、みそと糀甘酒を加え、再び温める。
【まとめ読み】『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』記事リストはこちら!
飲む点滴「糀甘酒」を砂糖代わりに使うとさまざまな健康効果が期待できます。3章では具体的な使い方がわかるレシピ紹介も。