ふり返るとクラっとする人に。めまいを改善する「ふり返る」首の体操/小脳を鍛える体操(3)

「ぐるぐる」「ふわふわ」と起こるめまい。決して特別な症状ではなく、誰にでも起こり得るものです。めまいの原因を理解して、自分の症状に合った体操を行うことで改善することができます。横浜市立みなと赤十字病院 めまい・平衡神経科部長の新井基洋(あらい・もとひろ)先生に、小脳を鍛える首の体操を教えていただきました。

【首の体操】ふり返る

人に呼ばれてふり返ったときにクラッとするなど、「ふり返る動作をしたときのめまい」を改善します。

行う目安:1回10往復

①体操を始めるポーズをとる

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右手の親指を立てて体の正面に伸ばします。顔はまっすぐ前を向き、目線は親指の爪を見ます。

②首を右に30度回す

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目線は親指

親指の爪への目線は固定したまま、首を右に30度回します。右手は動かさないようにします。

③首を左に30度回す

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親指の爪への目線は固定したまま、首だけを左30度の位置まで動かします。②と③を繰り返します。

めまい体操の回数の目安と覚えておきたい注意点

  • 体操は朝の起床時と夕方から夜にかけて、1日最低2回は行います。
  • 嘔吐などを避けるため、食前に行いましょう。
  • 首の具合が悪い人は無理に行うのは避けます。
  • 途中でめまいが起きたら休憩し、症状が軽減したら再開します。
  • 激しいめまいや頭痛、しびれが出たら体操を中止して受診します。

【まとめ読み】「自分で治す『めまい』『ふらつき』」

取材・文/松澤ゆかり 撮影/齋藤ジン イラスト/ノグチ・ユミコ モデル/永谷佳奈

 

新井基洋(あらい・もとひろ)さん
横浜市立みなと赤十字病院 めまい・平衡神経科部長。北里大学医学部卒。日本めまい平衡医学会専門会員・評議員。著書は『9割のめまいは自分で治せる』(中経の文庫)など。

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9割のめまいは自分で治せる

(新井 基洋/KADOKAWA、中経出版

今回、めまいへの対処法を教えてくださった新井先生の著書。先生の長年の実績に裏付けられたリハビリ体操が12種類紹介され、自宅でもできるようにイラスト入りでわかりやすく解説されています。めまいに悩んでいる方々の不安や恐れといった心のケアやめまいと上手に付き合うコツなど、先生の指導内容のエッセンスが詰まった一冊です。

この記事は『毎日が発見』2020年5月号に掲載の情報です。
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