ノンレム睡眠もレム睡眠もどっちも大事! 快眠で記憶力・学習能力をアップ

pixta_33619811_S.jpg60歳以上で不眠に悩む人は3人に1人に上ります。年を重ねるにしたがって食事や運動に気をつける人は増えますが、睡眠についてはないがしろにされがち。
しかし不眠を抱えていると、生活習慣病の発症率も上がると報告されており、睡眠は健康を維持するために欠かせない要素の1つです。

からだのしくみを知り、ぐっすりと眠る生活を始めるために、杏林大学名誉教授で日本ブレインヘルス協会理事長の古賀良彦先生にお話を伺いました。

前の記事「不眠だと生活習慣病の発症率が2倍に!? 体のしくみを知って快眠を手に入れよう(1)」はこちら。

 
睡眠は、心身に影響を及ぼすといわれ、特に年を取るにつれ、老化を遅らせるためにも重要な役割を果たします。大切なのが睡眠中のノンレム睡眠とレム睡眠です。ノンレム睡眠は、脳が休息してぐっすり眠る状態で、寝入ってから30~60分程度で最も深い眠りに入ります。このとき、成長ホルモンの分泌が高まり、肌荒れや内臓などの傷んだ組織を修復し、健康に役立つ作用が促されます。老化が進む体には、ノンレム睡眠は欠かせないともいえます。一方、深い眠りのノンレム睡眠の後に、脳が覚醒して体が休むレム睡眠が10~20分程度訪れます。レム睡眠も、老化を防ぐために欠かせません。

「日中活動しているときには、視覚や聴覚、味覚などの五感により、たくさんの情報が脳に蓄えられます。その中で、必要な情報と不必要な情報を仕分けするのが、レム睡眠のときなのです。いわば記憶の調整と学習能力を高めるために、レム睡眠は重要な役割を担っているのです」と古賀先生は説明します。

ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返すことによって、体の健康は守られ、脳の記憶も整理されるため、このリズムが乱れると心身の健康が損なわれ、老化も加速することにつながります。それを防ぐには、毎日7~8時間、規則正しく眠ることを心がけることが何よりです。

「高齢になるにつれ、ノンレム睡眠は浅くなり、レム睡眠の回数も減る傾向にあります。不規則な睡眠はそれを助長します。規則正しい生活で、ぐっすりと眠ることが大切です」と古賀先生。

 
■もしかしてあなたは「かくれ不眠」?あなたの「不眠症度」チェックシート
□寝る時間は決まっておらず、毎日ばらばらである
□よく昼間に居眠りしてしまうことがある
□起きた時に「ぐっすり寝た」と思えない
□寝つきが悪いことが多い
□夜中に何度か起きてしまうことがある
□思ったよりも早く起きてしまうことがある
□集中力が途切れがちで、イライラすることが多い
□やることがあると、寝ないで夜遅くまで頑張ってしまう
□眠れないのは異常ではないと考えている
□平日にあまり寝られないため、休日に「寝だめ」をする
□自分は寝なくても大丈夫な方だ
□最近、面白そうなことがあってもあまりやる気が出ない

当てはまる項目が4個以上の人は要注意! 不眠症は、不規則な生活習慣や強いストレス、眠りが浅いなどさまざまな要因が絡みます。規則正しい睡眠時間の確保と生活習慣の見直し、ストレス解消などに取り組みましょう。放置しないように心がけることが大切です。

 

1808p085_01.jpg寝入ってから30~60分程度で深い眠りのノンレム睡眠が現れ、その後、徐々に浅くなって10~20分程度のレム睡眠に移行します。これを交互に繰り返し、明け方にレム睡眠になって目覚めるのが一般的です。

 

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人間の体内時計は24時間よりも長いといわれます。その時間を調節しているのが脳の奥にある「視交叉上核」。目覚めたときに目から入った光の信号で体内時計を調節しているのです。

 

次の記事「あなたは朝日を浴びている? 快眠のためには「朝の目覚め」にも気をつけよう(3)」はこちら。

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史


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古賀良彦(こが・よしひこ)先生

日本ブレインヘルス協会理事長。杏林大学名誉教授。慶應義塾大学医学部卒。同大学病院を経て杏林大学医学部精神神経科学教室へ。1999年から主任教授。2016年より現職。うつ病などの治療を長年行い、睡眠と脳の関係なども詳しい。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。
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