病気ではないけれど、なんとなく疲れがたまって元気が出ない...そんな毎日とさよならするためにできることから始めてみませんか? 今回は、工藤内科 院長の工藤孝文先生に「『疲れやすい』を解消するための夜の習慣」について教えてもらいました。
【前回】なんだか体も心も疲れやすい...そんな人に医師が薦める「昼の習慣」
夜にやること10
しっかり寝ているはずなのに、朝起きたときに疲れが取れていない...そんな方は必見。
快適な眠りを手に入れるための10の生活習慣を取り入れ、「疲れやすい」を解消しましょう。
1.靴下は脱いで寝る
「寝ているときの冷えを気にして靴下をはいて寝る方がいますが、足の先から熱の放出がうまくできなくなるため逆効果です。おすすめは足首を温めることができるレッグウォーマー。血液が温まり、足全体の冷えが解消されます」
2.夕食にキムチをプラス
「キムチにはGABA(ギャバ)という成分を生成してくれる乳酸菌が豊富に含まれています。このGABAは脳の興奮を鎮め、リラックス状態に導く効果があるとされています。夕食にキムチをプラスすることで、スムーズな入眠が期待できるんです」
3.夕飯は眠る3時間前
「『疲れやすい』を解消するためには、質の良い睡眠をとることが大切。眠る3時間前までに食事を済ませ、食べたものがきちんと消化されるまで起きているようにしましょう。胃が落ち着いてから眠れば、睡眠の質がアップします」
4.シナモンパウダーで即席漢方
「漢方薬の生薬の一つとして使われているシナモン(桂皮)は、血流の改善に役立ち、幅広い効果効能が期待できます。炒め物の仕上げに振りかけたり、紅茶やコーヒーに入れて飲んでもOK 。キッチンに常備しておくといいでしょう」
【シナモンの効能は...】
・血流改善
・脂肪燃焼
・毛細血管の若返り
・リラックス
・不眠の緩和...他
5.お風呂は眠る1時間前に、ぬるめで10分間
「眠る1時間前までにお風呂に入って深部体温を上げておくと、スムーズに入眠できるようになります。40度前後のお湯に10分ほど浸かるのがベスト。熱いお湯では交感神経が活発
になり、眠れなくなる可能性があるので注意しましょう」
6.小腹が減っても我慢する
「夜遅い時間に食事や間食をすると、食べ物が胃腸に残ってしまい、血流の多くが消化器の活動に使われてしまいます。睡眠の質が低下してしまうし、肥満の原因にもなってしまうの
で、夕食後の『小腹が減った』は"我慢"が一番です」
7.エアコンで一年中適温をキープ
「エアコンのつけっぱなしは体に毒、という常識は昔の話。質の良い睡眠をとり、疲れにくい体をつくるためには、エアコンで室内を適温に保ち、自律神経を安定させることが大切。可能であれば、全ての部屋を一定に保つようにするのが理想的です」
8.カフェイン少なめの水出し緑茶
「緑茶に含まれるカフェインには覚醒効果があり、寝る前にお茶を飲んでしまうと安眠できなくなってしまうことも。そこで活躍するのが水出し緑茶です。水出しにすればカフェインが抑えられ、寝る前でも安心して飲むことができます」
9.布団に入るときはパジャマを着る
「部屋着とパジャマを共用している方もいますが、部屋着のままでは安眠できないことも。部屋着よりもリラックスできる素材のパジャマに着替え、快適な眠りを手に入れましょう。質の良い睡眠のためには、良いパジャマを選ぶことが大切です」
【パジャマ選びのポイント】
おすすめは吸湿性が良く保温性に優れるシルクのパジャマ。肌触りが良く蒸れにくいガーゼ素材のものもOKです。
10.お風呂で頭皮マッサージ
「首や肩と同様に、頭もこります。ストレスや疲れによりこりが悪化すると、白髪が増えたり、髪が細くなったり、抜け毛が増えてしまったりすることも。シャンプーをする際に頭皮
のマッサージも行い、頭のこりを解消しましょう」
【シャンプーをするときは...】
髪や頭皮を清潔に保つことは大切ですが、洗い過ぎに注意を。皮脂が過剰に分泌されたり、炎症が起こることがあります。
【頭皮のツボを押すのも有効】
不眠や抜け毛などに効果的とされるのが、頭頂部のほぼ中心にある「百会」のツボ。痛気持ちいい程度の力で5秒押して5秒休む、これを5回繰り返して。
取材・文/和栗 恵 イラスト/藤田ヒロコ