布団とベッド、どちらがいい?腰に優しい寝具とは?/ぎっくり腰(14)

pixta_23898297_S.jpg腰痛は多くの日本人を悩ませている病気で、その有訴者率(自覚症状のある人の割合)は男性で1位、女性で2位を占め、年齢が高いほど有訴者率も上がります(平成25年国民生活基礎調査)。それほど腰痛は身近な悩みなのです。

ヨーロッパでは"魔女の一撃"と言われる「ぎっくり腰」。個人差はありますが、何かの拍子で腰に"グキッ"とした痛みが走り、直後は日常生活もままならないことも。
この痛み、どのように対処したらいいのでしょう。予防法はあるのでしょうか。そこで日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科名誉指導医でもある東京都立多摩総合医療センター院長の近藤泰児先生にお話を伺いました。

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柔らかすぎるマットレスは避けた方がよい

ぎっくり腰など腰痛になると寝ているだけでも腰に違和感を覚えることが多くあります。また、腰痛がない人でも、旅行に行ったときにいつもと異なる寝具を使ったせいなどで腰に痛みを感じたことがあるかもしれません。では、どのような寝具を選ぶと良いでしょう。

まず、布団とベッド、どちらが良いか。

どちらを使うと腰痛になりやすいかということは分かっていません。しかし、腰が痛いときに布団を利用すると、起き上がるときに腰に負荷がかかって痛みが増す可能性があります。

腰痛のときはベッドの方が、寝起きが楽でしょう。また、腰が痛いときは横向きに寝ると、腕の力を利用できるので起き上がりがラクになります。

ベッドの場合、個々の体形により合うマットレスには個人差があります。そのため、一概にどのマットレスがいいということは言えません。
一般的には柔らかすぎるマットレスは避けた方が良いと言われています。なぜなら、仰向けに寝たときにお尻が落ち込み、腰が反った状態になって負荷がかかってしまい、腰痛の原因になる場合があるからです。

また、寝返りをすることも腰痛予防のために大切な要素です。寝返りを打つことで睡眠中に同じ姿勢が続くことを防ぎ、椎間板(ついかんばん)への栄養補給や老廃物の排出が促進されます。柔らかすぎるマットレスは寝返りがしづらくなるので、その点からも避けた方が良いでしょう。

一方、硬すぎる布団やマットレスも、やせた人などの場合にはお尻や背骨の一部に圧力がかかって痛くなる場合があります。また硬い寝具は横向きの姿勢になったとき、太ももの外側の骨の出っ張ったところが当たるので、寝返りがしづらくなるのも好ましくありません。
寝具の良しあしは個人差が大きいので、皆さん、それぞれで自分に合った寝具を見つけていただくのが良いと思います。

  

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取材・文/ほなみかおり

<教えてくれた人>
近藤泰児(こんどう・たいじ)先生

東京都立多摩総合医療センター院長、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科名誉指導医、日本整形外科学会認定専門医・認定脊椎脊髄病医。1979年東京大学医学部卒業。都立駒込病院整形外科骨軟部腫瘍外科部長、東京都立府中病院(当時)副院長などを経て、2013年より現職。著書に『腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症 正しい治療がわかる本』(法研)、『わかる!治す!防ぐ! いちばんやさしい腰痛の教科書』(アーク出版)など。

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