胃腸の負担を調節すれば「ケーキ」を食べてもOK。無理をしない「1日2食」生活のススメ

よく寝たのにスッキリしない...なんで? その答えは、「疲労回復の方法は、人によって違う」と東洋医学の第一人者である中根一さんは言います。そこで、中根さんの著書『寝てもとれない疲れをとる本』(文響社)から、あなたの正解が見つかる「疲れの正体」と「体質別の疲労回復法」を連載形式でお届けします。

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「疲れた胃腸」ではエネルギー補給も不十分

胃もたれや膨満感などの自覚症状のある方へ。

東洋医学の基本的な考え方「陰主陽従(いんしゅようじゅう)」(休息が主であり、活動はそれに従うのがいいという発想)を、胃腸の働きに置き換えてみると、「胃腸をしっかり休めると、働きが活発になり、消化・吸収がスムーズになる」ということになります。

では、「胃腸をしっかり休める」ためのポイントをお伝えしましょう。

まず、胃で行なわれる消化にかかる時間は3〜5時間、小腸では5〜8時間かかるといわれています。

いずれも平滑筋という筋肉の働きによって消化活動がスムーズに行なわれています。

平滑筋は疲れにくい性質を持っていますが、とはいえ、働かせすぎれば自律神経や血流だけではなく、消化液の分泌やpH(ペーハー)調整にも影響が及びます。

「胃腸が疲れている」という状態は、消化に関わるこれらすべての活動に負担がかかっているということなのです。

胃腸を休める、基本のルール

胃腸を休めるための効果的な方法は、とてもシンプル。

「胃を空っぽ」にしてあげることです。

食べ物がお腹に入っている限り、胃をはじめとする消化器は働き続けなければなりません。

働きながら休む、というのが無理な話である以上、空っぽにしてあげるほかはありません。

そこでオススメしたいのは、無理と我慢をしない「1日2食」生活。

私たちは慣例として「1日3食」の生活を送っていますが、今の栄養価の高い食べ物に囲まれた時代に、3食を食べないと本当に、栄養失調になってしまうものなのでしょうか。

そもそも自然発生的に始まった食事習慣は、洋の東西を問わず1日2食でした。

やがて文明が発達し、明かりによって夜が遅くなるという不自然なライフスタイルに合わせて、「1日3食」という新たな習慣へと移り変わっていったというのが定説です。

しかし、この「1日3食」が定着してからも、食に関する意見は様々です。

日本においてこの「1日3食」は、昭和10年(1935年)に栄養研究所(現・国立健康・栄養研究所)から提唱されました。

当時、1日に必要だと思われていたカロリー(2500〜2700キロカロリー)を摂取するためには、3回くらいの食事がちょうどいいだろう、ということだったのです。

しかし、現代のように高カロリーな食事が豊富にあって、しかも必要なカロリーが1800〜2200キロカロリーへと引き下げられた中で、「毎日3食」を食べなければならないとは言い切れないと思うのです。

ですから、その日の胃腸の状態に合わせて1食を抜いてみたり、軽めの3食にしたりと、食事を自分のペースに合わせてみるのがオススメ。

遅めの朝食(ブランチ)と早めの夕食で1日2食にして、食事と食事の間をしっかりと確保するのもいいですね。

翌朝はいつもより体が軽やかで、自然と空腹を感じるはず。

それが、胃腸が十分休まり、リセットされたサインです。

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私は無類の甘党だということを患者さんがご存じなので、差し入れでよくケーキをいただきます。

生もので日持ちしないし、棄ててしまうのも申し訳ない......と、自分に甘い言い訳をして、1日に3個くらいは平気でケーキを食べてしまいます。

でも、その後の食事をコントロールすることで、胃腸の負担を軽くしているのです。

たとえば、夜は、シイタケやみつばをたっぷり入れた卵雑炊を茶碗に1膳だけにしてみたり、鶏のささ身をトッピングしたサラダだけにしています。

これによって栄養のバランスを考えながら、胃腸にかかる負担を軽くすることにしているのです。

ここで大切にしているのは、胃腸に重さを感じないフィールグッド(爽快感のある状態の)。

このようにして、私は「自分の胃腸の調子に合わせる習慣」を実践しているのです。

「2食にすると、かえって太る」という説もありますが、炭水化物から食べ始めないなど、血糖値をいきなり上げないような食べ方を心がければ大丈夫。

すきっ腹にスイーツだけをいきなり詰め込むようなことを避ければ、日常化しても問題ありません。

「食べたくないけれど、義務感的に食べるようにしています」という患者さんもいますが、楽しくない食事は心にも体にも栄養にはなりません。

「1日2食にしようと思ったら、かえって空腹でツラい」という方も、修行をしているわけではないので、無理は禁物。

どうしてもお腹が空くときは、マグカップに1杯の味噌汁や野菜スープなどをゆっくりと味わってはいかがでしょうか。

あなただけの疲労回復法がわかる「寝てもとれない疲れをとる本」記事リストはこちら!

099-H1-netemo.jpg東洋医学をベースにした「疲労回復メソッド」を4つの体質別に紹介。頭も冴える体質別「ツボ押しマップ」も

 

中根一(なかね・はじめ)
1970年生まれ。鍼灸Meridian烏丸院長。ロート製薬「SmartCamp東京・うめきた」ケア鍼灸監修。経絡治療学会の歴代最年少理事に就任した、日本の東洋医学の第一人者。慢性疾患や難病の治療、不妊体質の改善、体質と肌質に合わせた美容鍼灸なども行う。著書に『もう悩まない!やさしい鍼を打つための本』(医道の日本社)などがある。

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『寝てもとれない疲れをとる本』

(中根一/文響社)

「なかなか疲れが抜けない…」それ、もしかすると「あなたの休み方」があなたに合っていないかもしれません。疲労に悩む全ての人が知るべきは、4つの体質に合わせた、それぞれの対処法。体質の見分け方や最適なケア方法など、「あなただけの疲労回復法」が見つかる参考書です。

※この記事は『寝てもとれない疲れをとる本』(中根一/文響社)からの抜粋です。
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