世に溢れる多くの「ダイエット本」。あなたもそれらのダイエット本を読んで様々なダイエット法を試してみたのではないでしょうか。しかし、食べるのを我慢してすらやせなかったのは、あなたの腸に「おデブ菌」がしっかり棲みついているからかもしれません!
腸内環境・腸内フローラを健康に保てば、あなたも「やせ体質」になれる可能性が......!
5分で作れる「酢玉ねぎ」やヨーグルト由来の「ホエイ」などを使って健康的にやせる、画期的「ダイエット」法です。
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◎やせるか太るかは、摂取カロリーは実は関係ない
ダイエットが上手くいかないときに、「私は太りやすい体質だから」とため息混じりにいわれる方がいます。
同じような体型で、同じようにカロリー制限をした食事をして、他の人は体重がスムーズに落ちても、ご自身はやせられないと、
「体質のせいだ」
と考えたくなりますね。
理論的には、「食べるエネルギー」よりも、「体を動かして使うエネルギー」が多ければ、脂肪が燃焼されてやせるはずです。ところが、体には、この理論を覆すような仕組みが備わっているのです。
それに関係しているのが、私たちの腸に存在する腸内細菌です。
私たちの体では、ホルモンやビタミン、消化酵素などを作るときに、腸内細菌が作り出す物質のサポートを得ています。
私たちが「食べたものを消化してエネルギーに変えるとき」、あるいは、「風邪などの感染症から身を守るために免疫機能を強化するとき」、「女性ホルモンをはじめとするさまざまなホルモンを分泌するとき」、さらには、「体が必要としているビタミン類を生成するとき」など、全て腸内細菌が作り出す物質に支えられているのです。
すでにお話をしてきたように、腸内細菌には「おデブ菌」や「やせ菌」もいます。「おデブ菌」が増殖して活発に働いていると、食べる量を減らしても体重は減りにくく、悪い働きをする細菌も増えることで、糖尿病やがんなどの病気に結びつきます。
●やせるか太るかは、摂取カロリーではなく腸内細菌に左右されます
だから、腸内細菌を無視したカロリー制限では、やせることが難しくなります。
「やせ菌」が喜ぶ食材を食べないかぎり、「おデブ菌」を大人しくさせることができないからです。
たとえば、私も指導を受けた日本糖尿病学会による食事療法では、夕食のメニューの例として、
「ご飯(お茶碗で1杯半)、マグロと鯛の刺身、厚揚げやシイタケなどの炊き合わせ、ナスとキノコの炒めもの、キュウリの酢の物」
といった献立があります。
刺身や野菜が比較的多い内容で、低カロリーでヘルシーに見えますね。しかし、これでは「やせ菌」は喜びません。このメニューを見て、
「ご飯お茶碗1杯半の量は、多くないですか?」
と、疑問を持たれた方もいるでしょう。
実は、腸内細菌には好物があるのです。「やせ菌」が好きなのは、「酢タマネギ」とご紹介してきました。「おデブ菌」が好きなのは、「ご飯などの炭水化物」と「スイーツなどに含まれるお砂糖」なのです。
糖尿病などの食事療法で摂取カロリーを控えた食事では、油を控えるのが一般的です。油が1グラム9キロカロリーなのに対し、炭水化物は1グラム4キロカロリーのエネルギーを生み出すため、油を控えることで食事のトータルのカロリーを抑えるのが狙いです。
ところが、炭水化物を「ご飯お茶碗1杯半」も食べてしまうと、「おデブ菌」が喜んで増殖し、太りやすい体になってしまうのです。これでは意味がありませんね。カロリー制限よりも、「やせ菌」を増やすことが重要なのです。
この栄養学的な違いに、気づいている方はまだまだ少ないと思います。
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