「生理前に甘ものが食べたくなる」「急に天然パーマになった」など、体に起こる不思議な現象。そんな体の仕組みを科学的視点から解説する書籍『医者も驚いた!ざんねんな人体のしくみ』(工藤隆文/青春出版社)から、特に女性にまつわる人体のメカニズムをご紹介します。
年を取ると背が縮んでしまう4つの事情
肌の衰えや頭髪の変化などと違い、最初はなかなか気づきにくい加齢による身体の変化に、身長が縮む、という現象があります。
若い頃、どんなにスラリとしていた人でも、何のトレーニングもしていなければ、40歳をすぎた頃から少しずつ身長が縮んでいきます。
どれくらい縮むかは人によりますが、だいたい、10年で1センチくらい縮むといわれています。
加齢が原因で背が縮むのには、おおよそ4つの原因があります。
まずは、筋力の低下です。
ざんねんなことに、私たちの筋肉量は20代がピークであり、30歳をすぎた頃からは、意識的に身体を動かさない限り、年々確実に減っていく運命にあります。
筋肉が減れば、脊椎や骨盤をしっかり支える力が低下してくるので、どうしても背が縮んでしまうのです。
2つめは、筋力の低下や生活習慣などによる、姿勢の悪化です。
猫背や前かがみの姿勢で身長が低くなるのは、皆さんご想像の通りです。
3つめは、骨粗しょう症です。
骨粗しょう症になれば、骨に変形が起きたり、圧迫骨折を起こしたりしやすくなるため、物理的に身長が縮んでしまいます。
ちなみに、骨粗しょう症は、日本では40歳以降に発症する方が多く、特に閉経後の女性に多い疾患として知られています。
その理由は、女性ホルモンの低下により、骨がうまく作られなくなってくることにあります。
そして、意外と知られていない4つめの理由が、体内の水分量の変化です。
身体の水分量は、子どもの頃は約7割ですが、大人になると5〜6割、老人になると5割と、年齢とともに低下していきます。
これに伴い、背骨の椎間板の水分量も減少し、結果的に身長が縮んでしまうのです。
身長の縮みを抑えるには、骨盤を立てるように意識して良い姿勢を保ち、栄養のバランスに注意し、運動で筋肉をつける以外ありません。
また、喫煙や飲酒もカルシウムの吸収を妨げ、骨粗しょう症の原因になる可能性があるので十分注意しましょう。
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