3人に1人が体重増加⁉ コロナ禍の生活で気を付けたい、病気のリスクとは?

マスクや手洗いの徹底、外出自粛、ソーシャルディスタンス...コロナ禍で新しい生活様式が浸透する中、新型コロナ感染拡大前と後とで生活習慣に変化はありませんか?

日本生活習慣病予防協会が行った(1)全国の40~60代の男女3,000人を対象にした一般生活者(2)各種健診を担当する全国の医師50人を対象とする調査では、食生活の変化や体重の増加など、生活習慣や体調の変化を感じているという結果が出ています。詳しく見ていきましょう。

一般生活者は運動の機会の減少や食生活の変化が顕著に

調査では一般生活者の約6割が、生活習慣に何かしらの変化があったことを実感しています。特に新型コロナウイルス感染拡大後にできなくなったこととして「適度な運動」を上げる人が最も多く、ほかにも「甘いものを控える」「食べ過ぎないようにする」「お酒を飲みすぎないようにする」「規則正しい食事をする」ことができなくなったなど食生活についての変化を上げる人も多く見られます。

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食習慣の変化については、「外食の回数が減った」(65.4%)人が多い反面、テイクアウトやデリバリーなどの「中食」(20.5%)のほか、「インスタント食品を食べる」(16.5%)や「間食をする」(16.1%)という新たな習慣ができた人も見られます。

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こうした食生活の変化を反映してか、感染拡大前と現在との体重について半数弱は「変わらない」(47.7%)と回答しているが、3人に1人が「増えた」(36.4%)と答えています。

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また飲酒量の変化については二極化が見られ、外食の機会の減少や健康志向に伴い59.3%が「変わらない」、25.3%が「減った」と回答。一方でストレスなどから1割は飲酒量が「増えた」(11.6%)と答えています。

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こうした結果から、コロナ禍以前と現在では、運動の機会の減少、栄養が偏りがちな中食やインスタント食品の利用など、体重増加の要因になりやすい生活習慣の変化が多いようです。

医師も患者の体重増加を懸念、生活習慣病のリスクが増加

一般生活者の調査では体重増加や食生活の変化が見られましたが、そこにはどんなリスクが潜んでいるのでしょう。

全国の健診担当医師50人に調査した結果にも、生活習慣や体調の変化が表れています。

患者の健康状態について新型コロナウイルス感染拡大前と現在を比較して聞いたところ、健康診断や人間ドックなどを行う中で患者の検査値が悪化していると感じる症状は、「体重増加」(76%)、「糖代謝」(46%)、「脂質代謝」(44%)が上位に。「肝機能」(34%)の悪化も3割を超える医師が指摘しています。

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また、調査では新型コロナウイルス感染拡大後の生活変化によって生活習慣病のリスクは「高まっている」(そう思う28%+ややそう思う56%)と答えた医師が全体の8割に上りました。

体重が増加している人が多い中、肥満やメタボリックシンドロームの影響が大きい「脂肪肝」についてもフォーカス。「脂肪肝」の疑いを指摘することが増えているかについては、医師の56%が「増えた」(増えている14%+やや増えている42%)と回答しました。

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脂肪肝疑いを指摘されたら、野菜やキノコ、海藻類の摂取を

今回の調査結果から、コロナ禍における生活習慣の変化は、脂肪肝をはじめとする生活習慣病のリスクを高めていると思われます。では、日常生活の中でどのように予防したらよいのでしょう。

日本生活習慣病予防協会によると、脂肪肝をはじめ、生活習慣病の予防は適度な運動と食生活の見直しをして、適正な体重を保つことが重要です。脂肪肝あるいは脂肪肝疑いを指摘されたら、ごはんや麺類など糖質の摂取量を減らし、糖質の吸収を抑える食物繊維が豊富な野菜やキノコ類、海藻類を積極的に摂ることを推奨しています。ほか、ビタミンEやレシチンが含まれる納豆、コーヒーも脂肪肝の発生を抑えるといわれ、食物繊維が豊富な抗酸化力のあるポリフェノールも肝機能改善に役立つといわれています。

また今回の調査では生活習慣の変化に「間食」の増加が挙がりましたが、間食をするならばカカオポリフェノールが70%以上含まれた「高カカオチョコレート」がおすすめだそう。血流の改善、体重増加をさせにくい、ストレスを軽減するなどの作用があるといわれているので、1日25グラム以内を目安に間食に上手く取り入れるとよいそうです。

新しい生活様式は、ふとすると家に閉じこもりがちに。散歩やウォーキングなど適度な運動をしてリフレッシュをし、節度ある食生活で元気な日々を送りたいですね。

 
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