新NISAは「満額投資」が正解? 非課税枠が増えたことで「ありがちな失敗」/世界一やさしい新NISAの始め方

あまり知られていないですが、貯金にも順番があります。

まずは収入がなくなった時など、まさかの事態に備えるためのお金を優先して貯めておくのが大事です。これを生活防衛資金と呼びますが、その名の通り、自分の生活を守ってくれるお金のことですね。仮にリストラや長期入院などで収入が激減した時も、生活防衛資金があれば、安心感がずいぶん違うでしょう。

生活防衛資金の目安は職業などによって異なりますが、たとえば会社を辞めて収入がなくなっても、半年程度で再就職を見込めると想定して、6カ月分の生活費を目標に貯められるといいですね。また私のような個人事業主の人は、収入が不安定な面も考慮して、1~2年分は用意しておきたいところです。誤解しやすいですが、生活防衛資金は月収ではなく、最低限の生活費の何カ月分かで考えればOKです。

いざという時は実家に帰れるという人なら、最低限の生活費は月10万円もあれば何とかなると思います。そうなると月10万円の6カ月分を生活防衛資金として、60万円の貯金をまずは目指すのがいいでしょう。

生活防衛資金の次は、近い将来、何にまとまったお金を使うかを考えてみましょう。

たとえば趣味や旅行、車や結婚資金、近い将来必要となる子どもの教育費などにいくらかかるか考えて、目標額を決めていきます。この近い将来使う予定の資金も、事前に確保しておいた方がいいので、投資に回さず貯金で用意しておくのが無難でしょう。

そして、これら生活防衛資金や近い将来使う予定の資金を除いたお金が、しばらく使う予定のない余裕資金と呼ばれるものなので、これは投資に回してもOKです。

余裕資金は新NISAで運用して、子どもが生まれた時の養育費や教育費、自分の老後資金などを見据えて準備していくのがいいでしょう。

1つ例を挙げると、貯金が500万円あるとして、生活防衛資金が60万円、近い将来使う予定の資金が200万円なら、残る240万円は余裕資金として新NISAの投資に回してもいいと思います。

このように貯金は順番で考えるのが大事なので、新NISAで無理に満額投資するために、生活防衛資金などを投資に回すのは絶対やめましょう。

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※本記事は小林 亮平著の書籍『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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