なんだかうまくいかないあなたに、ベストセラー作家・坂東眞理子さんが伝えたいことは「自分がどうありたいか」を真剣に考えた方がいいということ。今回は、坂東さんの新刊『「自分」を生きる~上手に生きるより潔く~』(あさ出版)から、生き方に迷ったときに道しるべとなる珠玉のメッセージをお届けします。
失敗を恐れていては前に進めない
「失敗しないためにはどうすればいいか」と質問を受けることがよくあります。
総長を務めている昭和女子大学の学生たちに、私は「失敗をしない秘訣は何もしないこと」だと話しています。
失恋しないためには恋愛しない、落第しないためには受験しない、倒産しないためには起業しないのがいちばんだと。
何か行動を起こすと、必ず失敗するリスクがついて回ります。
反対に、何もしなければ、絶対何も失敗しません。
でも、それでは生きている甲斐がないではありませんか。
失敗を恐れて行動をしない。
そのことが、最大の失敗です。
成功はチャレンジの先にしかありません。
たとえ無謀だったとしても、チャレンジしたことには、必ず学ぶところがあります。
"Fail fasts"(早く失敗しろ)です。
失敗しても、失敗の原因から次の施策を学べたり、自分を知れたり、新しい出会いや可能性が拓けることもあります。
それにより自信がつき、力が湧き、さらに高い目標に挑む機会も拓けてきます。
失敗によって失うものなどなく、むしろ、失敗から得るものがたくさんあります。
やってみたいことはあるものの、収人、家族、友人を失いたくないからやらないという女性がたくさんいます。
やってみた結果、失敗したとしても、今の日本であれば、人手が足りない別の仕事に就けるでしょうし、家族なら、これまでだってあなたの失敗を見てきているはずですから、しょうがないと受け入れてくれるでしょう。
また、あなたが失敗したからといって離れていく友人は、本当の友人ではありません。
むしろ、失敗することで本当の友人がわかります。
"Never waste a good crisis."です。
失敗を宣伝しない
一方で、失敗は宣伝するものではありません。
アメリカでは、なぜ女性より男性のほうが成功するのか、という研究が多数行われており、要因の一つとして、「失敗への対処の仕方」の違いがあげられています。
女性はよく、自分がミスをした時、自ら周りの人にミスしたことを告自し、慰めあったり、同情しあったりします。
「たいしたことないわよ」「あなたでもそんな失敗をするのね」と慰めあうことで心が癒されるからです。
一般的に、人は他人の失敗には寛容です。
さらに女性の場合、失敗を率直に話す人は愛すべき人として好感をもたれるという傾向があります(ちなみに成功する男性が自分の失敗を語るのは、自分の中でしっかり消化して立ち直った後、ジョークとして使う時だけだそうです)。
気持ちはわかりますが、とくに仕事については、ミスについて触れ回る必要はありません。
あなたの能力の低さを明確にし、評価を下げるからです。
もちろん、失敗をして迷惑をかけた相手にはしっかり謝り、失敗を振り返って善後策を講じ、所属長に報告するなどの対応はしなければいけませんが、関係のない人に失敗を触れ回って自らの価値を落とすことに意味はありません。
また、失敗を口にするたびに、自分で自分の意識に失敗を刻み込むことになってしまいます。
話すのは、事態が落ち着いて自分で「いい経験」だったと消化できた時です。
それまでは、そっとしておきましょう。
成功している人は、自分のミスについてあまり人に話しません。
失敗を隠しているのではなく、失敗からの学びさえ身につけたら、失敗自体は忘れてしまうからです。
いつまでも失敗した自分にくよくよ悩み、失敗によって失ったものに未練を募らせ、引きずっていては、前に進めません。
自分を励ましながら、失敗にとらわれることなく前に進みましょう。
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