なんだかうまくいかないあなたに、ベストセラー作家・坂東眞理子さんが伝えたいことは「自分がどうありたいか」を真剣に考えた方がいいということ。今回は、坂東さんの新刊『「自分」を生きる~上手に生きるより潔く~』(あさ出版)から、生き方に迷ったときに道しるべとなる珠玉のメッセージをお届けします。
「自分には何もできない」は間違った思い込み
「自分らしく自分の好きなことをして生きていきたい」という人に「あなたの好きなことは何ですか」とか「あなたは具体的に何がしたいのですか」などと尋ねると、「わからない」と答える人が少なくありません。
社会で「らしく」生きることへの圧力が強すぎるので、それから逃れて「私らしく生きたい」「私らしく生きなければならない」と、ただ思い込んでいるのです。
日本人の多くは子どもの頃、「与えられた宿題をちゃんとしなさい」「みんなと仲良くしなさい」「人に迷惑をかけないようにきちんとしなさい」などと言われて育ってきました。
女らしく、男らしく、子どもらしく、受験生らしく、大学生らしく―。
大人になってからも、勤務先の○○社の社員らしく(先生らしく、警察官らしくなど)、お母さんらしく、妻らしく、となすべき「らしさ」、演じるべき「らしさ」が増えていきます。
しかし、期待された役割を果たすには、かなりの努力も必要とされます。
求められる「らしさ」をこなそうとしてもうまくいかず、目指すべき姿と自分との差を感じ、「私なんて、あれもできない、これもできていない」とできていないことばかりに目がいき、「自分は何もできない」と思い込み、「自分のよさ」を見失ってしまっている人も多く見られます。
自分は、本当は何がしたいのだろう。
自分は、どんな人生を送りたいのだろう。
考えれば考えるほど、わからなくなってしまうのです。
生活パターンはあなたそのもの
たとえば、「会社員らしく」生きることに反発していても、組織・会社から離れたら何をしていいかわからないし、会社から自立して家族を養える収人を得ていく自信がない。
だから、組織・会社にしがみつくしかない、そういう男性はたくさんいます。
一方、多くの女性は会社だけにどっぷり浸かることなく、家庭・家族・友人など、別のコミュニテイを持っています。
それは、とても素晴らしいことです。
なのに、「私なんて職場でもたいした仕事をしてこなかったし、家事も十分できていない」と思い込んでいる女性が少なくありません。
これは、とてももったいないことです。
100パーセント完璧な妻、母でなくても、100パーセント「できる女性」でなくても、毎日職場に通ってきちんと仕事をこなし、家族が健康的な生活ができているということは、働く女性としても母、妻としても、日々小さなことを成し遂げているということです。
自分に求める水準を少し下げましょう。
それぞれ70パーセント、60パーセントの出来でも、合計すれば130パーセントと考えるのです。
自信は持ちにくいかもしれませんが、「自分は自分なりに精いっぱい生きているのだから、これでいいのだ」と認めていきましょう。
そこに、あなたらしさが潜んでいます。
そもそもあなたらしさに、お手本も正解もありません。
ましてや、どう生きれば「あるべき人生」になるのかは、誰にもわかりません。
日々、生活をしていく中で、様々なことが起こり、いろいろな可能性と出会います。
常にその時のベストを尽くす。
それが、樹木希林さんの「出たとこ勝負」という生き方に通じるのかもしれません。
その中で何を選び、選ばないか。
どういう行動をするか(しないか)が「あなた」なのです。
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