仕事も恋も、何もかもうまくいかない...年齢に関わらず誰でもそんな時期がありますよね? この状態、実は「考え方や言葉遣いを少しだけ変えれば解消できる」と、女性のための人材育成塾を主宰する朝倉千恵子さんは言います。そこで、朝倉さんの著書『仕事も人生もうまくいっている女性の考え方』(あさ出版)から、ちょっとした工夫で充実の日々を過ごせる「美意識と処世術」について、連載形式でお届けします。
他人と比べてダメ出しをしても意味がない
「あの人は、こんなことができるのに、私にはできない」
「あの人は、あんなにキレイなのに、私はそうではない」
「あの人は、いつも笑顔で輝いているのに、私はダメだ」
あなたの周りにも素敵な女性、デキる女性がいることでしょう。そんな彼女たちと自分を比べては、デキない自分、足りないものにフォーカスして落ち込んだり悩んだりしてしまう。そんな経験をしたことはありませんか。
でも、他人と自分を比べていては、いつまで経っても自分を認められません。
なぜなら、他の人とあなたは、まったく別の人間。もし、あなたの周りの素敵な女性と同じことができて、同じくらいキレイで、同じくらい笑顔で強くいられたとしても、それは、「素敵な女性」のコピーでしかありません。誰かのコピーに、人は魅力を感じません。おそらく、コピーをしているあなた自身の心も疲れてしまうでしょう。
自分は自分、他人は他人。まずは現在、あなたが持っているものにフォーカスしましょう。
「あなた」という軸(素地)があって、そのうえでできること、できたほうがいいことを増やしていくことで、人のコピーではなく、魅力あるあなたになります。
いいところ、足りないところを人と比べるのではなく、自分だけで考えるのです。もしかしたら、「こうだったらいいのになあ」と思うことがたくさん出てくるかもしれません。
でも、それでいいのです。最初から100%、完璧な人間などいません。あなたが足りないと思っている部分は、いわばあなたの「伸びしろ」です。少しずつ改善して伸ばしていけばいいのです。
他の誰かを羨まない
あなたらしく輝きながら人生を送るうえでもっともよくないのは、自分にないものを持っている人を羨うらやみ、妬むことです。
嫉妬の気持ちは、あなたを苦しめるだけで、成長にはつながりません。それどころか、心を疲れさせ、あなたの美点を蝕んでしまうことすらあります。
そういう私も、他人を羨んでいた時期がありました。私が初めて本を出した時、女性で営業の本を出している人はほとんどいませんでした。ところがその後、どんどん同じような本が刊行され、次々と10万部を超えるヒット作となっていきました。なのに、私の本は10万部に辿り着けなかったのです。
「なぜ、私の本は彼女たちの本のように10万部に辿り着けないのだろう」
本が売れている人を羨んでは、どんどん落ち込んでいきました。
そんなある日、一人の女性が私の本を握りしめて「朝倉先生に営業を教えてほしいんです」と事務所を訪ねて来てくれたのです。その日を境に何人もの女性が「朝倉先生のもとで学びたい」とやって来てくれました。本を読んで、勇気を出して会いに来てくれた。そのことが本当にうれしかった。そして気づいたのです。
「なんて見当違いな落ち込み方をしていたのだろう」と。私が書いた本を読んで、こうしてわざわざ行動を起こしてくれた人がいる。私の本が一歩踏み出すきっかけになっている。これほど光栄なことはありません。
「私には私にしかできないことがある」
そう確信した私は、彼女たちをサポートすることで前を向くことができたのです。
他人と自分を比べても何も進みません。比べて生まれるのは、マイナスの感情ばかりで、なんのいいこともありません。
素敵な女性たちを羨むのではなく、次の目標地点の目安にしましょう。大事なのは、あなた自身。昨日より少しでも成長できていたら素敵です!
Hint『比べるのは他人ではなく昨日の自分』
40のヒントで「自分の魅力」を再発見! 仕事もプライベートも充実できるメソッドがまとめられています