「人生100年」とも言われている現代日本で、リタイア後の人生をどのくらい豊かに楽しく生きられるか、そのカギを握る1つの要素はやはり「お金」です。年金もさして当てにならない現代で心強いのは「保険」。しかしいざという時に頼りになる保険も、場合によっては支払いが無駄になることも。
そこで今回は、超高齢化社会を生き抜くためのお金のヒントを、ファイナンシャル・プランナーで(有)ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんに伺いました。
前の記事「リスクは「死亡」ではなく「長生き」!? 長生きリスクにはトンチン保険を(3)」はこちら。
アクティブな人にはスポーツに特化した保険が向いています
健康で長生きできれば、登山やテニス、ゴルフなどのスポーツを長く楽しむことができます。とはいえ、付いて回るのは自分のケガの他、他人にケガをさせたときなどの費用の心配です。そんなときに役立つのがスポーツに特化した保険です。
例えば、ドコモのワンタイム保険のスポーツ・レジャー保険は登山などでの救援者費用等にも備えることができます。また、同ゴルファー保険はホールインワンやアルバトロスのお祝いで費用が発生した場合にも対応しています。いずれも保険期間は1日もしくは1泊2日など短いものもあり、必要なときにだけ加入できます。その分保険料も300円からとお手軽です。
ペット保険はペットの通院や入院、手術などの費用をサポートします
他にも、いまや家族同然のペットに対する保険も気になるところです。人間と同じような病気にかかるケースも増えており心配は尽きません。例えば、アイペット損害保険のペット保険は、通院や入院、手術などの費用が補償されます。
【NTTドコモ】
●ドコモ ワンタイム保険 スポーツ・レジャー保険
1日300円からの保険料でOK。テニスやスキーなどで人にぶつかってケガをさせてしまったり、登山で骨折して入院したときに安心の補償。
●ドコモ ワンタイム保険 ゴルファー保険
ゴルフ中のケガで、通院、入院した場合や、ホールインワンやアルバトロスのお祝いで費用が発生した場合などにも対応。
【三井住友カード】
●ポケット保険 トレッキングコース
山登りやハイキング中のアクシデントを月450円からの保険料でサポート。万が一遭難してしまった場合の救援者費用も補償する。三井住友カードの会員が利用可能。
【アイペット損害保険】
●ペット保険「うちの子」
ペットが病気やケガで診療や手術を受けた場合に、かかった費用を限度額や一定割合の範囲内で補償する保険。同社のペット保険の保有契約件数は35万件を超えている。
《民間の介護保険に頼る前にすべきこと》
家族で事前に話し合う
介護が必要になったときを想定し、市区町村に連絡して介護認定を取るなどの手続きを確認。介護が必要になったとき、家またはホーム入居か、あるいは子どもと同居するかなど家族で話し合っておく。
介護の費用を確認する
基本的に、介護される人のお金で介護費用を賄うようにする。親の場合なら親のお金、自分なら預貯金の額を再度確認し、足りないようならそこで初めて民間の介護保険を検討する。
民間の介護保険商品
民間の介護保険商品は幾つかある。例えば、ソニー生命の「終身介護保障保険」や朝日生命の「あんしん介護」、東京海上日動あんしん生命「長生き支援終身」など。
《知っておくと役に立つ身近なあれこれ》
意外と持っていない?顔写真付きの本人確認書類▶日常生活の中で、本人確認書類を提示する場面があるが、運転免許証を持っていない人は、マイナンバーカードを作っておくと便利。
健康保険証と介護保険証は一緒に管理しておく▶入院する際に必要になるので、介護保険証が発行されている人は、健康保険証と一緒に管理しておく。
保険証書や預金通帳などの収納場所の情報を共有する▶夫婦で保険証書などの重要書類を置いてある場所の情報を共有する。いずれは、子どもにも教えておくと、子どもの手間が省ける
取材・文/金野和子
深野 康彦(ふかの・やすひこ)先生
ファイナンシャル・プランナー。(有)ファイナンシャルリサーチ代表。セミナーをはじめ、テレビ、新聞、経済誌などで、投資や家計管理について分かりやすく解説。著書に『55歳からはじめる 長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)などがある。