仕事や日常生活で困ったとき、人は「いい手はないかな?」とあれこれ考えます。でも、簡単にアイデアは思いつきません。しかし、「課題に素早く対応できる人はその糸口と具体的な行動がナビのように見えています」と語るのは、問題解決のプロ・高橋輝行さん。その高橋さんの著書「思考と行動を高速化する 超速! 問題解決」(アスコム)から問題解決に素早く対応できる方法をご紹介します。
なぜ「3回考える」のか?
そもそも、問題解決が苦手な人の多くは、段階をわけて考えることをしていません。
「考える」というと、1回で長い時間、考え込んでしまうケースがほとんどです。
じっとデスクやパソコンと向かい合ったまま考え続けて、気がついたら何十分も経っているのに作業が進んでいない、といったことは私も過去に経験があります。
1回でゼロから100まで考えて答えを出そうとするスタイルだと、ときには何かを思いついたり、ときには整理してみたり、思考が前後したりと、まとまりがなく頭のなかが整理できないので、なかなか答えを出すことができません。
例えばクイズの答えを考えるような場合は、1回の思考でも頭のなかがぐちゃぐちゃになることはありません。
正解が用意されているからです。
しかし問題解決という、明確な正解がないことを考える場合、いくらでも考えることができてしまいます。
とりとめがなく、収拾がつかなくなってしまうのです。
「3回考える」思考法を使うのは、何を考えるかを明確にして、区切りをつけやすくするためです。
1回目の「思い込みをはがす」では、問題の背景を洗い出します。
2回目の「ひと言でまとめる」では、問題の本質を抜き出します。
3回目の「筋を通す」では、アクションの精度を高めます。
こうして現在地から目的地に向かうための最適なアクション=最短経路を、実行できるレベルで導き出すのがこの章のテーマです。
3回にわけて考えるとロジカルに思考を深められる!
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