家族や友達、仕事仲間に頼み事をすると、「何だか悪いな」と思うことありますよね?でも、実は人に頼ることで「人とつながる」と、一人ではできないことに挑戦できたり、ワクワクできたり、自分にも周りにもいいことが起こるそうです。今回は、「人の助けを受け入れる力=受援力」の重要性を説く医師・吉田穂波さんの著書『「つらいのに頼れない」が消える本―受援力を身につける』(あさ出版)から、「人に頼るときの心構えと方法」について連載形式でお届けします。
断られたときのフィードバックを大切にする
どんなに頼みごとを聞いてもらいたいと思って受援力を発揮しても、残念ながら、こればかりは相手次第ですので、断られることがあってもおかしくありません。
連戦連勝は不可能と言っていいでしょう。しかし、断られたからこそ、次に活かせることもあります。
事前に「断られたらどうしよう」と不安に思うのではなく、断られたらこうしよう、と前向きにとらえることで、頼む勇気が湧いてきます。
頼みごとを断られたら、理由を分析してもっといい方法を見つければいいのです。頼りにしていたのにあてが外れたと落ち込む必要はありません。断られたときは、しっかり相手の声に耳を傾けて、なぜ断られたのかをつかみ取りましょう。
頼んだ物事が、その人にはミスマッチだったのかもしれませんし、スケジュールが合わなくて泣く泣く断ったのかもしれません。
または、頼みに行ったときにたまたま相手が余裕のないタイミングだったのかもしれませんし、お願いが漠然としすぎてイメージできないなど、頼み方に問題があったのかもしれません。
自分の頼みを聞き入れられないと、自分が拒絶されたような、相手に冷たくされているような気持ちになるかもしれませんが、それを今後の自分へのフィードバック(客観的な情報を返すこと)だと考えればいいのです。断られたときはすかさず、「おかげで、自分の読みの甘さに気付けました」「もう少しスケジュールを調整してみます」「別の方法を探してみます」「言いにくいことを伝えてくださってありがとうございました」と、感謝の言葉をしっかり伝えるようにし、次の機会に活かしましょう。
こちらの依頼に対して相手がYESと答えるかNOと答えるかは、最終的に相手次第ですが、相手がどちらを選んでも、それを自分の学びにつなげられると考えることで、あなた自身も成長できます。
また、人は一度断った相手に対しては、大なり小なり罪悪感を抱き、次は引き受けようという気持ちを抱えやすくなるものです。
「一度断られたからもう頼めないな......」という姿勢を持たず、「また何かあったらお願いします」「これに懲りず、またお願いしたいです」と、笑顔でその場を去りましょう。
そして、同じ相手に再び力を借りたくなったときは、前回のフィードバックをしっかり活かして、前向きな気持ちでお願いしてみましょう。
成功か失敗かではなく、成功か成長か。すべては次につながると考えれば、断られることも怖くなくなります。
NO には必ず理由がある。その理由をはっきりさせて、次に活かそう!
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こんな可能性はないか?
・依頼した時間や場所が悪かった。
・頼んだ内容が頼む相手の得意分野とミスマッチだった。
・人に頼むタイミングが遅すぎた。
・何をお願いしたいのか、具体的に整理できていなかった。
・言い訳をたくさん並べてしまった。
・相手のスケジュールを把握していなかった。
自分へのフィードバックだととらえることで相手の事情を理解することができ、自分の修正点も見つけられ、次に活かせる!
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