自分の常識を優先した結果?あるお年寄りが電車内で電話に出た時の話

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:mamapanda
性別:女
年齢:46
プロフィール:普通のOL、主婦生活を常識的に過ごしていると自分では思っています。

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電車に乗ると毎回のように見たり聞いたりする「携帯電話はマナーモードに設定して、通話はご遠慮ください」という言葉。今や常識となり、皆が気をつけていることと思います。

ところが、先日、電車に乗っていると、携帯の大きな呼び出し音が鳴り響き、その後に大声で話し始めるのが聞こえてきました。目をやると私の母ほど(70代半ばくらい)のご年齢の、とても上品そうなご婦人が電話で話しています。「ごめんなさいね、今電車なの」という言葉に続いて、「あとでお会いした時に話そうと思っていたんだけど」とずっと話は終わりません。しばらくして、「じゃあ、またあとで」とやっと切りました。もちろん周りの冷たい視線もご本人は全く気づいていないようでした。

私も、あとで会うなら今わざわざ話すことないのに、そもそも電車の中で電話に出るなんて、なんて非常識なのかしら、と感じました。失礼ながら聞こえてきた内容も、さほど急な用件ではなさそうでした。電話の相手の方も、電車に乗っているとわかれば、すぐに切ったら良いのに、と見えない方にまでモヤモヤとしてしまいました。

電話が終わると、「どうして今携帯に出るの? 非常識でしょ。しかも大声で恥ずかしい」と、ご婦人の隣に座っていた、その方の娘さんらしき方が突っかかるように言い出しました。確かに私も、もしそれが自分の母であれば文句を言っていると思います。すると、ご婦人は「電話がかかってきたのに出ないのは、相手の方に失礼でしょう。かかってきた電話には一秒でも早く出るのが常識よ。こちらが電車に乗っていては向こうは聞き辛いでしょうから、大きくはっきりと話してあげなくては。貴方も気をつけなさい」と諭すように言ったのです。

これにはびっくりです。確かに「電話」の常識には当てはまっています。入社したての頃は、電話マナーでそのように教わりました。そのご婦人は、ご婦人なりに「常識的」な行動をとられていたのです。こうなると母と娘の常識、非常識論争は止まりません。なにせ、どちらも自分の考えが常識、相手が非常識として戦っていて、もう収拾がつきません。そばで聞いていても、確かにどちらも「電話」マナーとしては正論なのです。あとは電話をかけてきた人へ礼儀を尽くすか、電車の周りの方への気遣いを優先するか、の選択だけです。

そう考えると、どちらが常識か非常識かというのは、簡単には言えないのかも、と少し思えてきました。

それでも、やはり鉄道会社がNOと言っている以上、今回は出ないのが常識だとは思いますし、私自身は電車の中では携帯で話すことはしないつもりです。常識、非常識はその人や世代の主観なのか、と少し考えさせられる日でした。

別のある日、自宅マンションのエレベーターに乗った時に、小さな男の子が「こんにちは」と声をかけてくれました。私も「こんにちは。お出掛けだったの?」と返すと、その子の母親は少し頭を下げながら何も言わず、その子の手を引っ張って降りて行ってしまいました。

最近は、見知らぬ人と挨拶をしてはいけない、というのが常識だそうです。犯罪予防という観点からなので、なんとも言えません。ただ電車での電話の件があったあと、「挨拶をするというのは断然常識である」と心の中で言いきっている自分に、なんだかモヤモヤしてしまいました。

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