私の母は、この秋80歳になります。施設で暮らす母との連絡手段は携帯電話です。その母の、いわゆるガラケーが壊れました。
買い替えるにしても、高齢の母に新しい携帯が使いこなせるかどうか分かりません。
それに、このまま携帯なしの暮らしにしてもいいような気がする理由もありました。
母からの電話攻撃がストレス!
固定電話しかなかった時代から、母は電話魔でした。どうでもいいような用件で早朝から日に何度もかけてくるのです。気にいらない事があると電話で延々と文句を言う。こちらが出るまでかけ続けてくる。一時期、電話のベルが鳴ると、ドキッとしたり、鳴りもしない電話のベルが聞こえるストレス状態にもなりました。母からかかる電話には長年苦しめられたので解放されたい気分でもありました。
時代が携帯主流になった頃、母はまだ60代。
電話の操作だけでなくメールもマスターすると、私以外に海外に住む妹や孫達にも頻繁にメールや電話。「電話モンスター」と呼ばれるように。
次第に、孫である子供たちは、電話もメールもスルーするようになりました。
子供の態度を見て、「電話に出るのは当たり前」という常識が自分を縛っていたのだと、少し考え方を変えました。私も自分都合を優先するようになり、頻回の電話にも出ない事が増えたのです。
ただ施設では暇でもあるだろうし、一日一回、夜9時に電話で話すように約束してありました。
約束が招いた警察を巻き込んだ事件
大晦日の日、家族で母の施設を訪れ、おせち料理を差し入れしました。施設を出たのが夜だったのと、たまたまその日はスマホをマナーモードにしていたため、母からの着信に気がつきませんでした。
寝る頃になってからスマホをチェックすると、大量のメールと着信が...!慌てて返信すると、「電話しても出ないので心配して警察に電話した。家に行かはったか?」との文面が。
着信履歴を確認すると、実際に警察署から三回も履歴が残っているではありませんか。
母は、いつも9時に出る電話が繋がらないので、警察署に私の安否確認願を出したのです。
これにはもはや、怒りを通り越して呆れました。
お正月に施設を訪れた時に、厳重に注意をしましたが全く意に介せずの態度。
「だって電話でえへんから心配や」と平気な顔だったのです。
母の無言電話
この数ヶ月前にも、電話にまつわるトラブルがありました。
発覚した発端は、「こんな事いって気を悪くしないでね」と私の幼馴染から久々の電話があったこと。
母は、深夜の一時に実家の隣のお宅に何回も無言電話をかけたそうなのです。その事が幼馴染の耳に入り、気をきかせて教えてくれたのです。
実は、私にも深夜に30回以上着信があることがありました。そういう時は、どうやら夜中に強烈に寂しくなって、「かけてみても繋がらない」と固執するようです。翌朝、そんな事がなかったかのような普通の「おはよう」メールが届くので、無言電話は一時的なせん妄状態だったのかもしれませんが、母に確かめても要領を得ませんでした。
これまでに、他の知人や親戚にも同様の迷惑をかけているはずですし、この先もかけてしまうでしょう。そこで、母の携帯電話の電話帳のアドレスから、私と妹だけを残して後は全て消去しました。
母にとっては可哀想なことかもしれませんが、母のアドレス帳に記載されている皆さんは、かつての私同様、かかってきた電話に出ることが当たり前の世代の人たち。非常識な時間帯でも、何事かと思って出てしまわれるので、相当な迷惑になることは想像に難くありませんでした。
脳の運動と生きがいのために
そして、先日その携帯が壊れました。
施設から連絡を受けて行ってみると、本当に残念そうな顔をして壊れた携帯を眺めている母。
新しい携帯の操作を覚える気力がないので、母自身はもう諦めていそうでしたが、電話で話すことやメールを打つ作業は、認知症の防止にも効果的だと思うのです。
特に、指先を動かし、文章を考えて、メールを打つ作業は、脳を鍛えていると思います。
年齢の割に母の記憶力がとてもいいのは、無関係ではないのではないかと思っています。
これから母の携帯をどうしようかなと考えた時に、家に母の持つ携帯と同機種があるのを思い出しました。
時代はスマホに変わっていき、私も壊れてもいないのに携帯からスマホに機種変更しました。何かの時にと、その携帯を捨てずにとってあったんです。早速、電話会社に持っていき機種変更しました。手続きは30分ほどで 2160円で行えました。
早速母に届けると、やや操作方法を忘れてしまっていましたが、これから少しずつフォローしていけばまた使えるようになるでしょう。迷惑電話魔の母ですが、80歳でメールが打てるのは、家族として喜ばなければいけないことなのかもしれないなと感じました。
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「女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流<」主宰。Ameba公式トップブロガー。結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため、正社員として働きだしました。社会人の長男、大学生の長女と同居しています。要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしております。
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