<この体験記を書いた人>
ペンネーム:kame
性別:女
年齢:52
プロフィール:お正月は毎年義母を交えての食事会を開催しています。
夫の母である義母を交えてのお正月の食事会は、我が家恒例のイベント。義母は日頃介護施設で生活しているせいか、この食事会をとても楽しみにしてくれています。そして、それは私たち家族も同じこと。なにせ、義母と食事を共にするのは1年に1回、この日だけ。義母との楽しい時間のため全員参加であれこれ準備を頑張ります。それらの努力の成果か、毎回とても楽しく&リラックスした時間を過ごすことができています。ですが、今年は事件が勃発しました。
そのときも私の幼い孫たちはひいばあばに話しかけたり、食事の様子をじ~っと見たり。私たち大人もいつも通りに他愛ない話に華を咲かせながらも、和気あいあいとした雰囲気の中で食事を楽しんでいました。しかし、そんな楽しい空気が、私の何気ない一言で一変したのです。その原因となったのは下のお孫ちゃん。5歳のかわいい男の子です。この子、普段から夫に似ていると評判で、長い手足、小さなお顔、しゃべり方、ご飯の食べ方、好みの女性のタイプまで本当にそっくりで、それは家族全員の共通認識となっています。そしてそれは私たちにとっては凄くほほえましいこと。ですので私は義母に「下のお孫ちゃんはじいじ(夫)にホントに似てきました。周囲の人からもいつもそんな風に言われていますよ~」と笑顔で伝えたのですが、その途端、義母の顔から笑みが消え、わかりやすく不機嫌な様子になったのです。口数も激減し、苦虫をかみつぶしたような表情で固まっています。
(ムムム、これは怒っているじゃないか! でも、なんで? 理由が全く分からない......)
そう、私はなにやら地雷を踏んだみたいなのです。義母が不機嫌になったのは私の発言の直後からでしたので。
しかし、何が気に障ったのかは全くわかりません。ということでその場はスルーです。何も気づかぬふりをしてやり過ごしました。そのときの義母の様子の変化は家族全員気づいていましたが、誰も原因がわかりません。「疲れただけじゃない?」と、何とも腑に落ちないところに落としどころを探し、忘れることにしました。
しかし、義母はそのときの怒りを忘れていませんでした。幸か不幸か義母の怒りがそのときの謎を解き明かしてくれたのです。なんと、義母の気に障ったのは「ひ孫が自分の息子に似ている」と言われたことだったのです。
その食事会以来、夫が介護施設を訪れるたびに、「ひ孫はあなたに似ていない」とか、「あなたはもっともっと可愛かった」とそんなことを言い続けるようになったのだとか。そして、それを証明するかの如く、延々と昔話をし続けるのだそうです。幼かったころの息子がどんなに可愛かったのかと......。
つまり、あのときの義母の怒りは「ひ孫は可愛い。でも、自分の生んだ息子はもっともっと可愛かった。こんなもんじゃなかったんだ!」ということみたいなのです。自分が産んだ子どもが可愛かったことが、義母にとっては人生の宝物なのかもしれません。
しかし、私的には、「何もそこまで真剣に怒らなくても」、あるいは「ひ孫はさ、あんたの可愛い孫が生んだ子どもだよ~」と、思えて仕方ないのです。何はともあれ、義母の心からメラメラ燃える怒りが鎮火するのを、ただひたすら祈るしかない私なのでした。
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