<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちもて
性別:女
年齢:52
プロフィール:子育てはほぼ修了。勝手気ままに暮らしたい、海外旅行大好き主婦です。
20年ほど前に結婚した当初、夫が思っていたよりきれい好きで驚きました。
結婚前、彼の1人暮らしの部屋に行ったこともありましたが、特に汚くもきれいでもないごく普通の男子の部屋という印象で、コンロがピカピカだったりトイレがピカピカだったりもなく、ごく当たり前な使用感だったからです。
そんな夫が結婚してしばらくすると、わたしの掃除に関して文句を言うようになってきました。わたしは掃除が得意なほうではなく、1日に1度掃除機をかけるだけでいいじゃないかと思っています。フライものをしたあとのコンロをすぐに拭くわけでもないし、電子レンジで吹きこぼれがあっても徹底的にはきれいにもせず、気が向いた時に軽く掃除をするような日々でした。そんなわたしにチクリチクリと夫がダメ出しをするようになり、その細かさにイラッとして「そう思うなら自分がすればいいじゃない」と言うと自分は仕事が忙しいから云々かんぬん......。わたしだって仕事してるし子育てだってしてるよ!とケンカに発展することもしばしばでした。
そんなある日、わたしが仕事で夫は休み、子どもの面倒も1日見てくれる日がありました。夜クタクタになって帰り、ああ晩ごはん作らないとなあ、疲れたなあと思っていると、部屋には美味しそうな香りが。夫が「簡単なものだけど、帰ってから作ると遅くなると思って冷蔵庫の中のもので適当に作ってみた」と照れくさそうに言います。そういえば1人暮らしが長く貧乏だった夫は、かつては当たり前に節約自炊生活をしていたのでした。結婚してからはほとんど料理をすることもなかったのですが、この日はお昼も子どもと一緒にお好み焼きを作って食べたそうです。
しかもキッチンに入ってびっくり。シンクもコンロもピカピカに磨かれていたのです。「え〜! すごい! こんなきれいになるんだ〜! ありがとう〜!」と大げさに喜ぶと夫は満更でもない顔で「スポンジ、たくさん使ったけど、磨けばきれいになるし、なんかすごく気持ちいい」とやり甲斐を感じたようです。
それからはわたしが仕事で夫が休みの時、夫はその都度汚れているところを磨くようになりました。洗面所だったりお風呂だったりトイレだったり、玄関ドアやフローリングも磨きます。こういう場合、決してわたしからあれしてこれしてと指示をしてはいけないのです。あくまでも自らやりたいからやった、その結果わたしにすごく喜んでもらえたという図式に満足するようです。もちろん夫が疲れている時は自分の使ったお皿さえ洗ってない時もありますが。
そして20年以上経った今、夫がわたしに掃除を強要することは全くなくなり、気が向けばコンロを磨き、排水口を磨き、わたしはそんな夫にひたすら感謝の意を表し褒め称えます。その分わたしは毎日お弁当を作り、晩ごはんを頑張ろうという気分になれます。
相手の苦手な部分を補い合い、それをけなしたり責めたりせず、してくれたことに素直に感謝するのがうまくやっていくコツなのでしょう。
あとはわたし自身ももういい歳なんだし、ちゃんと掃除ができるようにならないとなあと反省する日々でもあるのでした。
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