20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
ご友人にお招きされて古民家を訪れた中道あんさん。実はこちらは長く受け継がれた実家をフルリノベーションしたもの。ご友人の選択を聞いて中道さんが思ったことは...
【前回】 家事は女の仕事? 経済的・精神的に自立する妹を見て感じた「主婦」への違和感
古民家を所有する友人から招待され、お言葉に甘えて女性3人で遊びにいきました。
京都市内の山科区にあるその御宅は、100年前に建て替えられた先祖代々受け継がれた家でした。
ご両親が亡くなられて相続したものの、自分たちで住むには現在のライフスタイルには合わず難しい。
「この家の良さが分かるのは60歳を過ぎてからよ」なんてことを聞かされていたものだから、手放す踏ん切りもつかない...。
草むしりと掃除に通い続けて10年。夫婦で話し合った結果、この家の空間を「分かち合う」ことにしたのだとか。
家族や夫の妹家族、そして繋がりのある人たちと、「この空間で一緒に時や心を分かち合い繋げていこう」と思ったそうです。
それで歴史ある古民家をフルリノベーション。
そこは、井戸のある土間を活かしたとても素敵な空間で、私たちは「懐かしさ」に浸りながら楽しい時間を過ごさせていただきました。
実家の空き家問題を抱える人は、年々増えていくのではないでしょうか。
空き家になった実家は
①そのまま管理する ②賃貸に出す ③売却する
しか方法がないと思っていましたが友人のように
④セカンドハウスにする
という選択肢もあるのですね。
空いた実家に新たな価値を創造するなんて、素晴らしいアイディアだなと思いました。
何よりもご先祖様が喜んでいらっしゃるのではないでしょうか。
私の実家は、2012年に母を引き取って4年間空き家のままで、たびたび様子は見にいっておりました。
でも、家主を失った家というのは空気が滞るからか、一瞬にして死んだようになってしまいました。
そこだけ時間が止まったようになり、すべてのものが生気を失い冷たく感じるのでした。
それに我慢できなくなり、売却することに。
すると有難いことに貸して欲しいという人が現れて、家賃収入を得られるようになりました。
そして半年もしないうちに、今度は投資物件として買いたいという人が現れたのです。
本当にラッキーというしかありません。
でも、実家を失ってみると、寂しい気持ちになることもあります。
なので、別の形で再生する方法は素晴らしいと思いました。
セカンドハウスとして非日常を味わえるなんて贅沢ですよね。
私は、「食べることは生きること」という価値観を持っていて、一食たりともおろそかに扱いたくないのですが、それと同じくらい、「暮らしあっての仕事」という価値観もっています。
どう暮らすかが、どう働くかでもあるのです。
古民家へ一緒に訪れた友人は、前々から欲しかった自分専用のセカンドハウスを購入したそうです。
そこで仕事に集中するのだそう。
私も自宅に自分の部屋を持つようになってから、仕事への集中度合いが増しました。
とはいえ、家にいると、家族のための時間もあってストレスを感じることもあります。
家というのは家族の居場所でもあるのですから、すべてが思い通りにはなりません。
なので自分専用のセカンドハウスを欲しいと思っていたところなのですが、なかなか思いきれないでいたのに、友人の決断力のすごさ。
たまたま、セカンドハウスのことを考えていた日に、ポストに不動産のチラシが入っていたんだそうです。
しかもその場所というのが、以前から憧れていた場所。
「これは!運命かも」と、すぐさま内覧に行き即決したんだそう。
まさに引き寄せちゃったんでしょうね。
同行したもう一人の友人は、夫婦で住むマイホームの建築が終わったばかり。
子どもへの責任を果たした後、これから「どのように暮らすか」がテーマになってくるのではないでしょうか。
セカンドハウスを持つ。
すごく贅沢にも思えますが、憧れちゃうし、そのような人が今後は増えていきそうな予感がします。
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