20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
自分の仕事をするようになって、家事を自分の役割と捉えていない女性もいることに気づいたという中道あんさん。「家のことを頑張るのが女の勲章」という母親の姿を見て、もっと優れた主婦になりたかったと考えていた時もありましたが...
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自分の仕事をするようになって、当然のように「家事を女性の仕事」と思ってはいない既婚女性がいることに気づきました。
私の周りを見ていると、その多くが経済的も精神的にも自立している女性たちです。
女性は結婚すればもれなく主婦になって当然、稼ぐことは男性の仕事、家を守るのは女性の仕事という時代を通り過ぎて、性差のない時代になれば、家事は「誰がしてもいい」家仕事になったのではないでしょうか。
でも、実際はまだまだ家事は女性の仕事であり主婦業だと思っている人は多いと思います。
私の場合も息子と暮らしていますが、家のことはほとんど私がやって、その恩恵を息子が受けています。
息子にご飯を作って欲しいとか、洗濯をして欲しいと思ったことはありません。
だって、私がやったほうが、確実にできがいいからです。
自分のことを人任せにできないのです。
とはいえ、作りたくないときは作りませんし、掃除も洗濯も自分のペースです。
二人暮らしのルールといえば、最後にお風呂から出る人は風呂洗いを済ませて出てくる、汚れた食器を流しに置きっ放しにしない、というくらいです。
このように、私が家事の大半を負担していますが、女だからなのか主婦だからなのか、それとも単純に自分ごとにしているからなのか、ぼんやりとしています。
ただ、夫がいればきっと自分で稼ごうなんて思わなかったでしょうし、今のように楽しみながら家事をするのではなく、負担に思いながら仕方なくやっていたかもしれません。
夫の経済力に頼って生きる人生だっただろうなと思います。
私には妹がいます。30歳で単身アメリカに留学。
そのあと、現地で就職し日本人男性と結婚。
コロナもあって、ほとほとアメリカ生活が嫌になり、25年ぶりに日本で生活するようになりました。
行くときもある日突然なら、戻ってくるときも、ある日突然。
そういう性格だから単身渡米してキャリアを構築できたのでしょう。
昭和40年代以前に生まれた女性は、自分のキャリア意識が低い時代を過ごしてきたのではないかと思います。
良妻賢母なんて言葉が先行し、それをならうようにしちゃっていたから。
家のことを頑張るのが女の勲章──そういう母親をみて、さらにもっと優れた主婦になりたかった私と、「とんでもない! 何よりも自立が大事」と考えた妹。
妹は自分を主婦だと思ったことがなく、「大体、主婦って何かも分からない」と言います。
妹の夫は元々料理人というだけあって、キッチンは夫のお城。
妹の家では食事の支度はすべて夫が負担していて、妹は食べる専門だそうです。
夫のキャリアについても興味もないと言います。
夫が稼ごうが、出世しようが、それが自分の幸せとは実感できない。
社会で夫がどれだけ認められても、自分ごとにはできないという。
それが反対の場合であっても、自分の問題ではないと言います。
夫がリストラや降格となったら、妻も落ち込んだりさらには三下り半を渡したりなんてことを聞くこともありますが、妹のようなタイプの女性はきっと他人事なんでしょう。
というのも、妹は自分が食べていくためにキャリアチャレンジを何度もしていて、アメリカでも経済的自立をしています。
夫の稼ぎをあてにする思考がまずないのです。
そして、日本で働くようになり、自分が少数派であることに驚いたそうです。
主婦という言葉には家事を主に担う女性のイメージを抱きますが、未婚の場合はそれにあたりません。
やっていることは変わらないのに、結婚しているだけでそう呼ばれるのに違和感を覚えるようになりました。
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