<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と二人で旅行を楽しむのが趣味の、主婦です。
私が幼少の頃に体験した奇妙な話です。
3~5歳くらいの頃だったと思いますが、一時期、悪夢にうなされていました。
最初はたまに怖い夢を見る程度でしたが、徐々に頻度は増し、毎晩見ることもありました。
毎回、同じ夢です。
内容は今でも鮮明に覚えています。
鼓膜が破れそうなほどの大きな爆発音が響き、直後に猛烈な爆風に襲われ、気付けば辺りが火の海になっているといったものでした。
あまりにも怖い夢を見続け、目覚めると泣きじゃくるため、母も心配し、病院へ連れて行かれたこともありました。
しかし失調などはなく、先生は「テレビで見た映画か何かのワンシーンがトラウマになっているのでは」と言い、母もそう思ったそうです。
母は私が怖い夢を見ないよう、夢の研究に関する本を買っていました。
その本によると、心臓に手を当てて眠ると怖い夢を見やすいとのことで、母は夜中に私の手が胸の上に乗っていないか、たびたびチェックしてくれていたそうです。
そして、人形やぬいぐるみなどと一緒に寝ると安心できるということで、私に女の子の人形を買ってくれました。
その人形と一緒に眠るようになってから怖い夢は見なくなりました。
そして月日は流れ、私が中学生の頃です。
たまたまテレビで「前世の記憶を持つ子ども」の研究をされている、アメリカの研究者を特集した番組が放送されていました。
私は母と一緒にその番組を見ていました。
研究者の方の話によると、小さな子どもには前世の記憶が残っているケースがあるそうです。
その特徴として「前世で自分が死んだ時の状況を覚えている」「前世で死ぬ原因となった痕跡が体にアザなどで残っている」「突然学んだことのない言葉を話す」「自分の名前が違うと言う」などがあるそうです。
「そう言えばあんたも小さい頃、変な夢を見ていた時があったわね」
母が突如、神妙な顔つきになり、ポツリとつぶやきました。
当時、私自身も幼少期に怖い夢にうなされていた経験を覚えていました。
母は続けて言いました。
「あんた昔、自分の名前はルリエ(私の名前ではない)だって、よく言っていたのを覚えてる?」
それについては覚えていませんでした。
ただ、ルリエという名前は母が買ってくれた女の子の人形に付けていました。
母によると、私があまりにも自分の名前はルリエだと言い張るため、人形を与える際に母が私に「その子にルリエと名付けなさい」と言ったのだとか。
テレビにくぎ付けになりながら、母はだんだん興奮していきます。
「あんた昔よくゴニョゴニョと変な言葉を話していたわよね。ちゃんと話しなさいって、お母さんに怒られていたの覚えてる?」
母は完全に、幼い頃の私が前世の記憶を持っていたと信じ込んでいるようでした。
母の推測によると、私は前世、ルリエという名前で、どこか外国で爆弾か何かに巻き込まれ、右腕を失うか何かして死んだのでは、とのこと。
私の右腕には、肘から手の甲にかけて生まれつきアザがあります。
もちろん、研究者の話の信憑性は不明ですが、たしかにとても興味深い話でした。
さらに年月が過ぎ、現在。
つい先日、お隣に引っ越して来たヨーロッパ出身の女性が飼っている猫の名前が、Relier(ルリエ)と言います。
それでふと、昔の話を思い出しました。
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