<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と2人で旅行を楽しむのが趣味の主婦です。
私が20代の頃、海外へ語学留学していたときの話です。
私は留学先の大学の学生寮で暮らしていました。
その学生寮は、一般入学の学生専用と留学生専用に分かれており、私が滞在した建物の居住者はすべて留学生でした。
当時はアジア系の留学生が多く、基本2人部屋で私は中国人の留学生と相部屋でした。
その外国人留学生専用の学生寮はいつも満室だったのですが、1室だけ閉鎖された「開かずの部屋」がありました。
しばらくすると、噂話を耳にしました。
どうやらその部屋では、私が来る10カ月ほど前に自殺者が出ていたのです。
アジア系の女性で、自殺の理由は失恋。
しかも、自殺者が出ていたのはその部屋だけでなく、私が聞いただけでも計3部屋もありました。
自殺者が出ると、一応半年ほど部屋は閉鎖されるそうなのですが、他の2部屋については他の留学生が何も知らずに住んでいました。
しかし、「開かずの部屋」だけはずっと閉鎖されたまま。
その理由は「幽霊が出るから」とのこと。
女性の自殺から半年後、留学生2名が入居したのですが、事情を知らないはずの彼女たちはわずか数日で「部屋を変えて欲しい」と訴えたそうです。
夜になると、部屋が急激に冷えはじめ、得体の知れない恐怖に襲われたそうです。
そして、その部屋は再び閉鎖されました。
しかし、その後に「開かずの部屋」の右隣に住む学生から「部屋を変えて欲しい」という訴えがありました。
聞けば、夜になると無人のはずの「開かずの部屋」から、壁をコンコンと叩く音が聞こえてくるのだそう。
実際、私が滞在していたときにも、住人の学生が悲鳴を上げながら部屋から飛び出して来る騒動が起きていました。
さらに、壁コンコン騒動は他にも。
実はその「開かずの部屋」の左隣にはランドリールームがあるのですが、夜に行くと壁からコンコンと壁を叩く音が聞こえるという噂が広まっていました。
私は普段、夜にランドリールームへ行くことはありません。
しかしあるとき、日中多忙でどうしても洗濯ができず、夜に行くことになったのです。
嫌だなあと思いつつ、でも自分には霊感もないから大丈夫だろうと、開き直ってランドリールームへ行きました。
そのとき、ランドリールームには私1人...他には誰もいません。
私はさっさと洗濯ものを洗濯機に入れ、部屋へ戻りました。
そして、約1時間後に戻り、洗濯を終えた衣類を乾燥機に入れて再び部屋へ。
特に何事もなく、気持ちには少し余裕が生まれていました。
しかし、乾燥を終えた衣類を回収しに行った際、それは起きました。
時刻は午後11時過ぎ。
学生寮はわりと遅くまで賑やかなのですが、なぜかその日に限って寮内は静かでした。
そして、何だか嫌な予感がするなと思った次の瞬間。
突然、粘っこい空気が体を包み、ゾクッと寒気が。
そして「開かずの部屋」側の壁から「コンコンコン」と...噂は本当だったのです。
私は「ギャー!!」と心の中で叫び、パニック状態に。
とにかく無我夢中で洗濯ものをカゴに入れ、その場から立ち去りました。
絶対に振り返らず、部屋まで猛ダッシュ。
そしてその日以降、どれだけ洗濯物がたまっても夜にランドリールームに行くことはありませんでした。
あの「コンコンコン」は一体何だったのか...いまだに説明はできません。
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