<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と2人で旅行を楽しむのが趣味の主婦です。
私が大学2年のとき、いわゆる「大学デビュー」したY美という同じ年の友人がいました。
Y美は、大学1年の頃はどちらかというと地味で真面目なタイプでした。
しかし、20歳になってお酒が飲めるようになると、クラブ遊びに目覚めて夢中になり、たちまち服装も派手になっていきました。
そして、年上で社会人の彼氏をゲットしたY美は、私たちに自慢するようになりました。
当時の私たちには「クラブ=お洒落」「年上=紳士」「社会人=金持ち」といったイメージが漠然とあり、クラブで知り合った社会人男性をゲットしたY美を、みんなとても羨ましく思っていました。
Y美自身も「私のオトコが~」と彼氏をオトコ呼ばわりし、女王様気取りでした。
携帯電話のマナーも浸透していなかった当時、みんなで食事中にのろけながら彼氏と電話で話し続けることもありました。
そんな、オトコ自慢で浮かれていたY美。
それから、なんと2カ月後に妊娠し、大学を中退して結婚することになりました。
これには、みんなも唖然...どちらかといえば、同情する雰囲気になりました。
しかしY美は、まるで自分は勝ち組と言わんばかりに「ハタチ婚」「同級生結婚第1号」などと言って、私たちにマウントを取り続けていました。
春休みに入った頃に、Y美の結婚式が行われました。
場所はY美の地元にある結婚式場、大学の地域からは電車で2時間ほどでした。
私は他の友人たち3人と一緒に、挙式と披露宴に参加しました。
実はそれまでY美の彼氏には誰も会ったことがなかったため、どういう人なのかとみんな興味深々。
Y美から散々自慢話を聞かされていたので、さぞかし少女漫画に出てくるような、王子のような男性なのだろうと想像していました。
そして挙式が始まり、新郎・新婦が入場。
順序通り、先に新郎が入場しました。
しかし、そこで一同「ん?」
夢と憧れが崩れ去る瞬間とでも言いましょうか。
続いてY美が入場です。
Y美は妊娠中でしたが、お腹はまだあまり目立っておらず、素敵なウエディングドレスでお父さまと一緒に入場しました。
挙式は滞りなく終わり、その後は披露宴に。
別会場へ移動するように指示がありました。
披露宴会場への移動中、それまで終始無言だった友人の1人がポツリと一言。
「ねえ、私たちはこれまでずっと、あの彼氏の自慢話を聞かされていたの?」
それは恐らく、みんなが思っていたことでした。
いまなら普通に「真面目で良さそうな方」と言えますし、実際Y美の夫は家族思いの良い方です。
外見も普通のサラリーマンといった感じです。
しかし当時は、Y美の自慢のおかげでイメージを膨らまされていたのと、私たちに彼氏がいなかった嫉妬もあり、1人が口火を切ると他のみんなも追随。
「なんかイメージと違ったよね...」
「薄暗いクラブでは良く見えたんだろうね」
「クラブに1人くらいはいるよね。踊りが上手いだけでモテる男」
などなど、結婚披露宴のテーブルで言いたい放題。
しかしそれで、これまでの鬱憤がスッキリ晴れた私たちは、Y美に心から祝福の言葉が言えました。
そして、あれから数十年...今年届いたY美からの年賀状には「大学生の次男が結婚。お婆ちゃんになります」との報告が!
「早い! 血筋だね~」と思わず声を上げてしまいました。
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