知らない間に親族にお金を使い込まれていたら、しかも使い道がとんでもない内容だったとしたら、あなたは許せますか? 今回は精神疾患を患っていた伯父が多額のお金を使い込んでいて...という実体験エピソードを紹介します。
<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と2人で旅行を楽しむのが趣味の、主婦です。
2016年に他界した伯父の話です。
伯父は生涯独身で、30代から障がい者認定を受けるほどの精神疾患を患い、数十年定職に就いていませんでした。
それでも本人が1人暮らしを希望したため、祖父母が親名義で近所にアパートを借り、家賃の支払いも負担するなど、援助をしてあげていました。
伯父は障がい者年金や市からの福祉支援などだけで、十分に生活できる状態でした。
2004年に祖父が他界し、2011年に祖母が高齢者施設へ入所した後も、住んでいたアパートの家賃は引き続き祖母の口座から引き落とされていました。
しかし、祖母の高齢者施設入所に伴い、とんでもない事実が判明したのです。
長男である伯父(当時67歳)は精神疾患があるため、祖母の保護責任者は次男である私の父(当時64歳)に。
父が通帳などもすべて管理することになったのですが、祖母の通帳を確認すると、過去に不可解な現金の引き出しがあることが分かったのです。
明らかに祖母の生活費とは思えない額が毎月頻繁に引き出されており、それらはちょうど祖父が他界した直後から始まっていました。
そのお金は、祖母が伯父に渡していたお小遣いだったと判明しました。
祖母が伯父に渡したと思われる金額を計算してみると、7年間でなんと1千万円を超えていたそうです。
祖母の通帳を父が管理するようになってからは、伯父は弟である私の父に無心するようになりました。
ですが、祖父が亡くなるまで伯父は家賃以外は自身の収入だけで生活できていたため、父は伯父からの願いを断りました。
祖母の預貯金がかなり減っており、入所している高齢者施設への支払いが大変だったのも理由です。
すると伯父は「ならば闇金に借りる」と言い出し、父を脅すようになりました。
伯父は精神疾患があったため、普通の消費者金融からお金を借りることができなかったからです。
そこで、父と伯父は兄弟で話し合いの場を持つことになりました。
父は、祖母にはもうお金を援助できる余裕がないことを叔父に説明し、一体何にお金が必要なのかと訊ねたそうです。
すると伯父は、まず初めに携帯電話の請求書を差し出し、「電話が止められると困るから払ってほしい」と父に懇願したそうです。
その月の請求金額はなんと3万円以上。
この額に驚いた父が、なぜこんなに高額なのか追及すると、伯父は開き直り、すべてを白状しました。
電話はいわゆるテレクラに、祖母からせしめていたお金はほぼすべて風俗に使っていたとのこと。
父は呆れて何も言えなかったそうです。
お酒やギャンブルならガツンと説教をするつもりでいたそうですが、生涯独身となってしまった伯父が女性を求める姿を哀れに思ったからです。
そう言えば私が結婚した際、伯父からもらったメッセージカードにこんなことが書いてあるのを思い出しました。
「セッ〇スばかり楽しんでないで、たまには連絡ちょうだいね」
私はドン引きしたのを覚えています。
結局、父は携帯電話の請求分だけのお金を渡し、「今後は一切援助しない、風俗遊びは卒業しろ、闇金に手を出したら兄弟の縁を切る」と伝えて別れたそうです。
その後、しばらく伯父は大人しく過ごしていたようです。
しかし、季節の変わり目になると、気分が浮き沈みしやすくなるのか、精神病院への入退院を繰り返していました。
そして72歳のときに、急性疾患によってこの世を去りました。
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