アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】「うちの子は鶏肉が~」催しのメニュー変更を強要する身勝手ママ友。子ども会の「意外な対応」/かづ
ある時、息子同士が幼稚園の頃から仲が良かった宮田さんから、息子さんがスポーツクラブに入ることを考えていると聞かされた。
私も何かスポーツをさせたいと思っていたが、何が良いかわからないでいたので息子と話してみて、宮田さんのお子さんと見学に行き、そのまま一緒に入ることになった。
そのスポーツクラブは毎週日曜の午前中だけで、子どもたち自身は楽しく遊びながらのつもりだった。
二人してワチャワチャしているだけだったがそれでも指導者からは「最初はこんなもんです」と言って頂けていたので気が楽だった。
数日後のこと、練習に行くと小山さんが子ども二人を連れて来ていた。
子ども会の一件があったので一抹の不安はあったが、要らぬことは言わないでおこうと思った。
小山さんのお子さんは男の子ふたりで、下の男の子が息子と同級生(1年生)でお兄ちゃんが2学年上の3年生だった。
小山さんのご主人は公務員らしく、毎回練習の際にはご夫婦で見学に来ていた。
後で知ったのだが、指導者が子どもの数に対して圧倒的に少なく、見学に来ているお父さんたちは片っ端から指導者になる事を誘われていた。
そんなこと素人でもできるのか?とは思ったが、専門的な部分は経験者のお父さんたちがメインでしてくれるので、あくまでもお手伝いの指導者と言う立場ではあるが、とりあえず子どもたちや保護者たちからは「コーチ」と呼ばれた。
うちの夫も普段日曜日などは休みが取れない仕事だったが、たまたま休みが取れた時に応援に行ったら、指導に来ていたコーチたちがワラワラと寄って来て、指導者が着ているユニフォームとキャップを渡され、あれよあれよと言う間にその場で「コーチ」として登録されることになった。
夫は指導者たちから「来れる時だけで良いから」と言われて引き受けたらしいが、普段から我が子の面倒も見た事が無い夫がとんでもない事を引き受けたもんだとその時は思った。
夫がユニフォームを着てキャップをかぶり、ウキウキしているのを見ると不安が募った。
けれども夫がノリノリで引き受けているのを、横から「うちの夫には無理です!!」と言おうにも、どこかしら息子が嬉しそうだったので出来なかった。
当然毎回の練習日にご夫婦で来ている小山さんのご主人にも指導者たちから声が掛かり、小山パパもコーチになった。
息子と一緒に入った宮田さんのご主人は、絶対に日曜には休めない職業だったらしく練習を見に来ることも無かったが、ママの方は「子どもがワチャワチャと遊びの延長みたいにしているのを見ると、主人なら絶対に怒ると思うから来ない方が助かるわ」と言っていた。
最初に見学に行った日はたまたま指導者の出席が多かったようで、入会して練習に行くたびに指導者不足であることが良く分かった。
少ない時には子ども達20人に対して指導者が2~3人の事もあるので、仕方なく急場しのぎにママたちが指導者として立つこともあった。
毎回ワチャワチャしに行っているような息子と宮田さんちの子も、徐々に何かしらが出来るようになったりして楽しそうだったので、この際戦力にならなくても体力増進になれば多くは望まないと宮田さんと話していた。
そんなある日のことだった。
スポーツクラブには「親の会」と言うものがあり、数カ月に1度子どもたちが練習している間に脇で集まったり、時には平日に地域の集会所や喫茶店で集まって色んな事に対して話し合いがあった。
議題はたまにある対外試合だったり、備品購入やお祭りにクリスマス会などのイベント内容の話しだった。
主に上級生のママたちが色々動いてくれていて、下級生の私たちは指示されたことをそつなくこなせば済む程度だった。
その日は集会所で開かれていて、話し合いはサクサクと進んだので早めに終了しつつあった。
上級生ママが「何か質問はありますか?」と聞いたその時、「はい!」と大きな声を出して手を挙げたのが小山さんだった。
他のママたちは「???」と言う顔つきだったが、私は小山さんの顔を見た瞬間「あ、来た...」と思った。
子ども会で捲し立てていた時と同じように、いきり立つかのような顔をしていたからだ。
小山さんが止まらないのを知っている私は、頭の中が「あぁ、帰りたい...」でいっぱいになってきた。
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