<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yobo
性別:女性
年齢:47
プロフィール:体力の限界と戦う2児の母です。
2013年、長期休暇に実家へ帰省した私は、たまには朝寝坊をしようと目論んでいました。
しかし、大声で「早く! 早く!」と叫ぶ隣人の声で起きてしまいました。
お隣には30代後半のご夫婦と、幼稚園年長のお子さんが住んでいます。
ご主人は車のお手入れや喫煙で玄関先に出ていることがたびたびあり、「こんにちは」や「こんばんは」といった短いあいさつのみ交わす感じでした。
奥さんは小柄な女性で、自転車を元気良く乗り回しているところを何度か見かけたことはありますが、あいさつを交わしたことはありません。
休日のお子さんとの散歩などもご主人が担当していて、私は奥さんがどのような人なのかほとんど知りませんでした。
そして、その日の叫び声の主はお隣の奥さん。
パートに行くために、お子さんを時間通りに送り出さないといけない様子です。
「早く!」と叫んだ1分後には再び「早く!」と叫んでいるので、そんなにこまめに急かされても、子どもは早く動くことができるのだろうか...と聞いていました。
そして、その叫び声は毎朝聞こえてきたので、私はゆっくり寝ているどころではなくなってしまったのです。
さらに、この叫び声は朝だけにとどまりませんでした。
幼稚園から帰った後、夕食や就寝の時間まで続きます。
ご主人も夜は自宅にいるようで、時折、お子さんに話しかけたり注意したりするような声は聞こえてきます。
しかし、奥さんの叫び声が圧倒的に大きいのです。
マイペースに行動している子どもに対して「早く」と言いたい気持ちは分からなくもないですし、実際に早くしてもらわないと困る場面はあるとは思います。
しかし、こんなにも一日中急かす必要があるのだろうか、言っている本人も疲れないのだろうか...などと疑問に思いました。
ある日、お隣のお子さんはピアニカの練習をしていました。
曲目は「きらきら星」。
しかし、その途中でもお隣の奥さんは「早く!」と叫んでいるのです。
恐らく、お子さんにはその後、ピアニカ以外のミッションがあったのでしょう。
それでもお子さんは数分、練習を続けていました。
きっと、納得のいくところまで練習をしたかったのでしょう。
そして、曲の途中で特に大きな「早く!」の叫び声が。
その声に反応するかのように、お子さんが猛スピードかつ完璧な「きらきら星」を弾く音が聞こえてきました。
もちろん、奥さんが「早く!」と言ったのは、曲のスピードを上げて欲しいからではなかったと思います。
しかし、上手に弾けたことや、結果的に早く次の行動に移れたことを褒めてはもらえないのかな、とやるせない気分になりました。
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