アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】「練習したから大丈夫と思って子どもを作ったんやけど」 想像の斜め上を行くママ友の「子育て論」/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
息子が入園した幼稚園はお仕事をしていないママがほとんどだった。
多くの園児は通園バスを利用しており、役員で集まる際にはほとんどのママたちが車やバスで来ていた。
幸いなことに私は自宅が幼稚園から徒歩10分程度のところだったので、駅前にしかない喫茶店などでのお茶会にはほぼ参加せずにすんでいた。
いつものように役員会室で作業をしていると、同じクラスの役員・横井さんが慌てたように入ってきた。
もう表情からして何か言いたいことがあるようで、ワクワクしているのが分かった。
「あのさ! 今クラスの前を通ったらもうお弁当始まっててん!」
「えっ? もう? あ、今日はお弁当終わったら運動会の練習やから早めにしたんかな?」
この幼稚園はかなりの人数がいて、音楽発表会などはお遊戯室に保護者が入りきらないので、各クラスごとに保護者総入れ替えだったり、運動会に至っては園児1人に対して両親のみならず、両家の祖父母に両親の兄弟姉妹にその子らも来るものだから、観覧席確保のために全天候型の競技場を借りていた。
よって、そんな広い競技場の観覧席からそれぞれの子どもがどこにいるやら何をしているのか分かりづらく、あらかじめ子どものポジションを書いた紙が配布されていた。
おのずと観覧席から豆粒みたいな子どもたちが何をやっているかわかるようにと、年々競技が派手になりつつあったタイミングで入園したので、運動会前から役員の仕事はかなりの量で、連日勤務のように幼稚園に通っていた。
玉入れの玉を1園児3個作って提出されたものを役員がサイズなどをチェックし、小さすぎたり大きすぎるものは作り直す。
競技ごとに準備するものを確認し、不備が無いようにと担当分けや備品のチェックも大方役員で行う。
今も昔も、保育士不足は変わらない。
で、みんなで玉入れの玉を縫い直していたところに横井さんが息せき切って入ってきたのだ。
「でさ、みんなのお弁当が可愛くってぇ! あ、かづさんってちゃんとお弁当作ってるんやねぇ」
は??? 思わず口から出そうになった。
「いやほら、歳が若いからさ、どんなお弁当作ってんのか覗いたら、ちゃんとしたお弁当やったからびっくりしたわー!」
耳を疑うとはこのことなり。
ン??どんなお弁当か覗いたって言った??
で?ちゃんとしたお弁当やったからびっくりした??
なぜ驚いた??
周りに一緒にいたママたちも一瞬絶句してたが、口々にフォローしてくれる。
「そ、そりゃちゃんと作るやろ~?」
「なんでびっくりしたんよー(笑)」
それに続ける横井さんの言葉に、その場が一層凍り付く。
「だって、かづさんって子どもをジジババや旦那に預けて、車で迎えに来た独身時代の友達と夜通し飲みに行くって聞いたで?」
「はぁ~~~~!? 私、下戸ですけど!!」
思わず大声が出た。
「それに! 結婚してから一度も友達と出かけたことありませんけど! それも夜になんて!!」
「えっ...、そ、そうなん...? でも私聞いたで? かづさんが家事も子育ても全部旦那とジジババに丸投げで、夜もほとんど家にいないって...。だからお弁当もどんなの入れてんのかなぁって...」
周りのママも黙ってはいられない。
「それって誰に聞いたん!?」
「横井さん、それでわざわざかづさんとこのお弁当見に教室入って行ったん??あきれた!!」
横井さんはたじろいだ。
周りのママたちの表情から、マズイことを言ったとやっと気が付いたようだった。
「わ、私もちょろっと聞いただけやから...。でも!でもでも、ちゃんと作ってるって褒めたやん?」
もう呆れて物が言えなくなるとはこのことだ。
おそらく「○○じゃないの~?」と言う憶測からの噂話が、「○○らしいよ」になって「○○なんだって!」と確定した話となったのだろう。
ママたちが裏でどんな噂話をしているのか、初めて怖いと思った。
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