アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】「聞いてへんけど!?」ゴルフ場を無断キャンセルしたママ友。キャンセル料を請求すると.../かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
マンションに引っ越した翌年、息子が幼稚園に年少組で入園した。
担任の先生は当時の私と同い年の23歳でとても気が合い、話しやすかったので初めての幼稚園の不安が軽くなった。
私は家にいるとしょっちゅう姑からのアポなし訪問や電話での呼び出しを受けるので、幼稚園のクラス役員に自ら立候補することに。
園内での息子の生活なども見聞きしやすいと思っての行動でもあった。
同じクラスのママたちはと言うと、私よりも10歳近く、またそれ以上は離れていた。
普通に通っていてもそんなに親しくなれるママ友はできないだろうと思っていたので、役員になったことは自分的には良かった。
この幼稚園は毎月誕生日会があり、その月に誕生日を迎える子の保護者が母の会室に集まってカレーライスを作るのが恒例行事だった。
もちろん私も息子の誕生月に参加し、他のママたちと野菜を切ったりご飯を炊いたりした。
和気藹々と作業をする中、肉を入れる段階になって同じクラスのママ・宮田さんが大声を出した。
「えっ!! ミンチを入れるの!? なんでミンチ?」
子どもたちが食べやすいようにと、園で作るカレーには挽肉を入れていた。
宮田さんの大声は続く。
「ミンチって普通??ミンチのカレーって食べたこと無いわー!えっ?普通??」
周りのママたちにオーバーリアクションで聞きまくる。
他のママたちも挽肉のカレーを食べたことも作ったことも無かったようだ。
もちろん私もだったが...。
「鶏とか豚ならあるけど、ミンチは初めてやわ...」
「私も少し驚いちゃって...」
一部のママさんがそんなことを言い出したが、それでも別段食べるには問題なしという雰囲気。
それでも宮田さんは「それも甘口!えっ?親も甘口食べるの?うそー!!」と騒ぎ立てている。
ええ加減だまれや(心の声)
カレーが出来上がってお昼の時間になった。
各お部屋にカレーのお鍋と炊き上がったご飯が運び込まれ、それぞれのお皿にカレーが盛り付けられる。
宮田さんは盛り付けている間も配膳している間も、ずっと「気持ち悪い...」とつぶやいていた。
誕生月の子どもの横にはその保護者も一緒に座ってカレーを食べる。
幸か不幸か、私は宮田さんと同じテーブルだった。
彼女は「私は要らないから私の分は置かんとってね!」と、手伝いの保護者のみならず、園児たちにも丸聞こえの声で言う。
「いただきまーす!」
子どもたちはニコニコと大喜びでカレーを食べ始めた。
それぞれご家庭のカレーとは違うのだろうが、ここはこことして「幼稚園でみんなと一緒に食べるカレー」を楽しんでいた。
もちろんうちの子も大喜びでカレーを食べていて、宮田さんのお子さんも食べだした。
その瞬間 「いや~ん!ミンチのカレー食べてるー!見てられへんー!うちの子がミンチのカレーを食べてるやなんて信じられへん!気持ち悪い!」
当然宮田さんのその言葉は、同じテーブルで一緒に食べている園児たちにも聞こえている。
もう本当に黙ってろよ!(心の声)
後日、園での行事のお手伝いにも宮田さんは来ていて、作業終了後にみんなでお茶会に行くことになった。
お茶会は、初めての幼稚園生活の不安や情報交換で盛り上がり、予定の無い者はこのまま子どもの降園までランチしようという話になった。
「ちょっと昼には早いけど、ランチにしようか?」
一緒にいた人からそんな言葉が出た瞬間、宮田さんがまたもや驚いた様子で大きな声で叫んだ。
「えっ!もう?子どもたちがまだ食べてないのに??」
子どもたち?? その場にいた宮田さん以外全員の頭に「?」マークが浮かんだ。
この場に子どもは誰一人居らず、親たちだけだが?
「だって、子どもたちがまだお昼ご飯食べてないのに、親だけ先に食べるの?」
聞けば、宮田さんは子どもの園での生活時間に合わせて食事をとっているらしい。
いくらお腹が空こうとも、子どもが園でお弁当を食べる時間まで我慢しているそうだ。
「子どもはいくらお腹が空いても、自分だけ先にお弁当を食べるってことはしないやろ? 子どもがお昼の時間まで我慢してるのに、親が先に食べるなんて出来へんわ。 先に食べたら子どもが可哀想やん?」
宮田さんはいたって真面目に真剣に語る。
それを聞いた皆は一瞬絶句したが、どう答えていいのか躊躇していた。
「えっ?そんなん気にする?」
一人が口火を切ると、次々に言う。
「子どもは子どもやん?」
「そんなん合わせて生活してへんわぁ」
「気にしたことも無かった(笑)」
それでも宮田さんは「子どもがまだ食べてない時間やのに...」と何度も「可哀想」を連発した。
けれども、先日のカレー作りを一緒にしていたママも数人いたため、宮田さんの言葉を無視するように店員さんにランチの注文を入れた。
もちろん宮田さんはランチの注文はしないので、飲み物の追加をするかと店員さんから声を掛けられたがそれも断った。
私たちのランチが運ばれてくる前に宮田さんは帰るのかなと思ったが、お昼ご飯の時間になるまでいると言う。
そうこうしているうちに、注文したランチが運ばれてきた。
美味しそうなランチに私の胸は高鳴り躍る。
おしゃべりしながらのランチなんていつぶりだろう。
「では失礼して」 宮田さんに一声かけて頂くことにした。
すると宮田さんが衝撃的な発言をした。
「こんな美味しそうな料理やったら絶対にビールが欲しくならん?えっ?欲しくならんの? 飲み物の追加せぇへんかったんは、帰ってから昼ご飯食べながらの1杯が不味くなるからやめといたんよ」
一同、食べる手が一瞬止まる。 恐らく頭に同じことが浮かんだだろう。
えっ?宮田さん、これから帰って酒飲むの?昼から?
子どもがまだ昼ご飯を食べていない時間なのに、親だけ先に食べるのは子どもが可哀想と力説していた宮田さん。
今から帰って子どもの園での時間に合わせて、昼ご飯を食べながらビールを飲むと言う宮田さん。
それをみんなの前でにこやかに喋れる彼女の今後に、若干ワクワクした。
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