アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか?
私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】暴れる4歳児を放任し、よその家庭のことを根掘り葉掘り。暴君ボスママの「ある取り決め」に絶句/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
集合住宅のボスママ的存在、山本さんが「雨の日は順番に家を開けて集まることにしよう」と言い出したが、皆乗り気ではなく、結局1回限りでやめることになった。
しかし、山本さんにその話が届いた時に、なぜか言い出しっぺが「私」だと思われたのだ。
山本さんはなぜ私が言い出しっぺだと思ったのか?
心当たりは、やはり私が山本さんの言う事を素直に聞かなかったからだと思った。
プライベートな事をズケズケと不躾に深掘りして聞かれても、昨日今日知り合った相手に普通はペラペラ喋らないと思う。
いくら仲良くしたいと思った相手であっても、「それ聞く? そこまで? 必要?」と思ってしまう。
けれどもボスママ的には「ここら辺のママの事は全部把握しときたい」と思っているようだった。
20代後半から30代のママ友たちはそこのところが上手で、うまくはぐらかしたり話題を変えたりしていた。
私も今なら「えー? そこまで聞くー? やだー!(笑)」と笑いに変えられるが、当時はまだハタチそこそこだったので、まともに受け取ったのがマズかった。
おまけにあまりにも失礼な相手に絶句してしまい、「は? あんた何聞いてんの?」という思いが顔にも出ていたんだろう。
上田さんが山本さんに「順番で各お家を回るのはやめよう。皆さんもそうおっしゃってるので」と言った時、山本さんは即「それ、かづさんが言うてんの?」と言ったそうだ。
当然上田さんは否定したが、山本さんは「いやわかってる。あの子やろ?」と聞く耳を持たなかったらしい。
上田さんは「ごめんね! 私の言い方が悪かったんかもしれへん!」と私に何度も謝ってくれたが、世の中には悪い方に悪い方に取る人はいるし、自分は絶対に悪くないと根拠のない自信を持っている人はいるのでしょうがない。
ある日のこと、中庭で他のママさんたちと一緒に子どもを遊ばせていたら、山本さんがやって来て「今からうちにおいで!」と言った。
皆一瞬躊躇したが、山本さんがしつこいくらいに「ほら! ええからおいでって!」と言うので、渋々ながらお邪魔することになった。
山本さんのお宅は意外にも(失礼)きれいだった。
片付いていると言うよりも、物が少ない家で、今で言うとミニマリストというのか、なんせ必要最小限の家具しかなかったので広々としていた。
けれども逆に言えばおもちゃや絵本類が全くないので、子連れで伺った私たちは今から何が始まるのかとポカンとしていた。
さすがにお砂場用のおもちゃを出すわけにもいかず。
すると山本さんがどこかから小さめのテーブルを出してきて、ノートとペンを持っていた。
「わざわざ来てもろてごめんな。もう毎日晩御飯に何作っていいかわからんやろ? あんたら昨日の晩御飯何やったん? 端から順に言うていって」
なんだこの聞き取りは?
先日上田さんのお宅に伺った時には「うちの子が来るのわかっててなんで用意してへんの?」とお菓子を要求しておきながら、お茶すら出さず。
(いや、子どもの分は各自で持ってきてるから私らの分は出してもらわなくてもいいけどさ)
端に座っていた人から「生姜焼き」やら「オムライス」と順に言っていき、その都度山本さんはノートに書きこんでいく。
私の番になって「南蛮漬け」と言うと、山本さんは「は? あんたそんなん作れんの? 嘘や~! ホンマは何作ったん?」と言った。
いや、本当に南蛮漬けなんですけど。
一通り聞き終わると、「じゃあ、今日は何作る予定? はい、端から」と言う山本さん。
だからナニコレ(笑)。
皆さんまだ今夜のメニューが決まっていない人が多かったようで、「まだ決まってません」やら「昨日の残り物かなぁ?」と言う中、私の番になったので「筑前煮」と言うと、またもや「嘘~~!!」と盛大に言う山本さん。
当時、夫の休みの日に大型スーパーに行ってまとめ買いし、1週間分のメニューが決まっていた。
足りない物を近所のスーパーで買い足すと、夫に小言を言われ、それをまた義母にも嫌味で言われるので、日々のメニューをきっちりと考えて決めていたのだ。
まぁ今から考えると、私も他の方と同じように「まだ決めてない」と言えば良かった。
山本さんは「ほかに何作ってんの?」と私に聞くので、馬鹿正直にここ最近作った献立をツラツラと言うと「作り方は? 材料は?」と突っ込んで聞いてきた。
恐らくこれも私が嘘をついていると思ったのだろう。
作り方や材料を突っ込んで聞けば、私がボロを出すと思ったに違いない。
聞かれたまま答えていると「あぁ、もうええわ!」と山本さんが遮った。
他のママさんたちから「それ作り方教えて♪」と言われた私を、山本さんが憎々そうに見ていたのに気付いた時は遅かった。
たぶん山本さんとしたら、一番年下の私が手抜き料理しかしていない事を聞きだして、みんなの前で恥をかかせてやろうと思ったんだろう。
晩御飯なんて小学校低学年の頃から作っているんで、結構色んな物が作れるのだ。
山本さんがおもむろに立ち上がり、棚から料理のレシピ本を持って私に差し出した。
「料理上手みたいやから、これ貸してあげる」
私はレシピ本なんか家計から到底買える余裕がなかったので、貸してもらえると聞いて喜んだ。
ところがこれも山本さんが仕組んだ罠だったのだ。
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