<この体験記を書いた人>
ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:41
プロフィール:夫51歳。私は41歳。小学生の息子の3人暮らし。共働きです。
私が数年前まで勤務していた職場の上司Aさん。
机はいつも整理整頓され、書類のファイリングや書類棚もショールームのように綺麗で、仕事ができる上司という印象でした。
「キャビネットの上から○段目の左から○番目の緑色のファイルを出して確認してほしいのですが」
Aさんは、外出先から書類の確認を頼む際も実に丁寧です。
私は採用時に同僚から「Aさんの机に置く書類、封筒、新聞などは、全て机と『平行かつ直角』に置くようにしてね」と教えられて驚いたほどです。
それでもAさんは、他の部下や同僚には「机を徹底的に綺麗にしなさい」と言うことはなく、「お客様が見ても呆れないくらいの整理整頓を心がけるように」と指示はとても謙虚。
私たちに厳しさを見せることはありますが、声を荒げるようなことはありません。
仕事も丁寧・迅速でクライアントからの信頼も厚く、本当に優しくて信頼できる上司でした。
そんな「理想の上司」を絵に描いたようなAさんなのですが、一つだけ困ることがあったのです。
仕事柄、取引先の方との会食や、私自身がAさんと外食をすることがたびたびありました。
しかし、几帳面で食卓が汚れることを過剰に気にするAさんには、厳格な「食べていいもの」「食べてはいけないもの」のルールを持っています。
そして、なぜか食事のときだけは同席する人にもそのルールを強制するのです。
口調は優しいのですが、そのルールがまた細かいのです。
蕎麦やうどんなどおつゆがあるものは、おつゆが飛んでテーブルが汚れるからダメ。
羊羹は良いが「きな粉」やお煎餅など、粉が飛ぶ可能性があるものはテーブルが汚れるからダメ、といった具合です。
優しい口調で「これはやめておきましょう」に同席者たちは「はい...」。
整理整頓は強制しないのに、食事の際だけは強制する理由を誰も知らず、職場の七不思議の一つと言われていました。
そんなAさんは、仕事以外でも几帳面ぶりを発揮していたようです。
「書店に行くと、誰かがきちんと戻していない本が気になって、著者を『あ行』から並べ直してしまうんだよ」
「たまに友人と麻雀をするんだけれども、自分の牌が平行になっているか気になって直してばかりでね。潔癖すぎるとは思うんだけれども気になってしまうんだ」
Aさんも自分の潔癖さは自覚しているのですが、食事に対して周りが「うーん」となっていることには、Aさんが気づくことはありませんでした。
些細なことかもしれませんが「食事くらい好きなものが食べたいのに...」「どのメニューなら大丈夫か、毎回悩むのは疲れる」と、Aさんと食事をするたびにモヤモヤしていました。
その後、私は別の職場に移りましたが、Aさんとは今もたまに食事をする機会があります。
そのときはメニュー表を見ながらAさんが何かを言う前に、心の中で「まず、これとこれはダメ。う~ん」と、何を食べたら大丈夫か悩んでしまいます。
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