<この体験記を書いた人>
ペンネーム:けんけん
性別:女性
年齢:51
プロフィール:実母(80歳)と息子(12歳)の3人で、ちょっと田舎に住んでいます。
80歳の母と12歳の息子の3人暮らしです。
今から44年ぐらい前のことです。
母の日に、母(当時36歳)と兄(当時10歳)と私(当時7歳)で家から近いスーパーに買い物に行きました。
母の日だったので、兄は自分のお小遣いからカーネーションを買って、「これ母の日のプレゼント」と言って母に渡しました。
すると母は「花より他の物が良かったな。花はすぐ枯れるし」と一言。
兄はガッカリしていました。
そこで兄は翌年から2年ほど、実用的なハンカチやスカーフを買ってプレゼントしていたのですが、それには「ハンカチばかりいらない」と母。
何をプレゼントしたらいいんだろうと兄は悩んでいました。
そして次の年からは、前もって母に何が欲しいかを聞き、カーディガンのリクエストがあると、兄と私で毎月1,000円か2,000円の小遣いの中から少しずつ貯金し、プレゼントしました。
別の年にはブラウスが欲しいと言われたのですが、値段を調べたら少し高額だったので、父(当時37歳)にも助けてもらってプレゼントをしました。
このようにリクエストに沿って洋服をプレゼントすることが数年続いたある年、「今年の母の日は何が欲しい?」と聞くと「洋服ばかりいらないわ」と言われてしまいました。
子どもからプレゼントされた服は参観日などのイベント的な日にしか着ないので、汚れることもあまりなく、何年も持ち続けていたようです。
そのため、本当に必要がなくなったのでしょう。
また、母は太り始め、ダイエットをしていた時期もあったので、自分の服のサイズがこの先変わるかもと思っていたのかもしれません。
服はもういらないとして、他に何が欲しいか聞いたのですが、ついに「欲しい物ないわ」と言われてしまいました。
それなら仕方がないとプレゼントを贈らない年があったのですが、そのまま何もしないで母の日が過ぎたところ、「今年は何ももらってないね」って...いったいどうしろと?
悩んだ兄と私は相談して、それからは母に現金を渡すことに決めました。
今でも、母の日のお祝いは少額でも現金で渡すようにしています。
これが一番間違いがない方法のようです。
「子どもの好意に対してきつい言い方だ」とか、「毒親じゃないのか?」と思う人もいるかもしれませんが、実は母は全く悪気はないのです。
白黒つけたい性格というか、自分の意見をはっきりと言う母は、正直に自分の思ったことを話しただけで、兄や私を傷つけるつもりはないのです。
ただ、兄や私にとってはせっかく喜んでもらいたくてプレゼントしているのに、少し寂しいですよね。
母の日が来るたびに、そんな子どもの頃の切ない気持ちを思い出します。
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