虐待から逃げてきた弟嫁母との奇妙な同居生活。だけど毎日が楽しくて.../かづ

「アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と2ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。」

【前回】虐待されていた弟嫁母を保護。そこに「ようこんな事してくれたな!」と弟から電話があり.../かづ

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上弟が電話を切った後、それでも上弟の嫁母は安心しきる事が出来ず、今にも連れ戻しにくるのではないかと思ってか表情は硬かった。

けれども私は上弟は絶対に来ないと思っていたので気が楽だった。

あの見栄っ張りの上弟が、警察沙汰になるのが分かっていて来る筈がない。

上弟にしてみても、私が「警察と打ち合わせ済み」だと口から出まかせで言う訳がないのは分かっていると思うので、いつも嫁や嫁母の前でやっているような態度が気安く出来ない事は分かっているのだ。

私は何度も上弟嫁母に「絶対に来んから安心し! 大丈夫やから!」と言いながら晩御飯の支度をしていると、私が態度だけでなく本気で「大丈夫」と言っているのが分かった様で次第に表情がやわらかになってきた。

思った通りに上弟が来る気配もなく、「お姉ちゃんの言う通りに、(娘の)旦那さんは来ないねぇ!」と上弟嫁母は驚いていた。

不謹慎だが、内心、来たら来たで面白かったのにとも思った。

実際に「ここではなんだから」と最寄りの警察署までとりあえず引っ張って行って貰って、そこで懇々と言い聞かされて絞られでもすればいいのにと思ったからだ。

少しでも痛い目に遭わせたいと思っていたので、ある意味残念でもあった。

晩御飯時に夫はまだ帰宅していなかったので、上弟嫁母は「先に食べる訳にはいかない」と言ったが、先に子ども達と一緒に食べてくれた方が片付くのでと説明して食べて貰った。

「美味しいわぁ。幸せだぁ」と何度も言いながらたくさん食べた。

夫なんか何時に帰って来るか分からないのに、待っていられる方が困る。

食事が終わると上弟嫁母が「洗い物くらいさせて下さい」と言って食器を洗ってくれた。

作るだけで後片付けを誰かがやってくれるなんて、なんて楽なんだろう。

今は自宅に食洗機があるが、当時は品数を多くすると当然家族が多い分使う食器も多くなり、洗い物が一度で終わらずに2回に分けて洗ったりで、食器洗いは嫌いな家事の一つだった。

その日、上弟嫁母は夫が帰宅するまで起きていて、夫に感謝の言葉とこれから世話になる事を挨拶した。

あらかじめ夫にはメールで一部始終を説明していたので、夫はすんなりとすべてを受け入れてくれた。

上弟嫁母はその事にも驚いていたが、姑が亡くなり、舅も施設に入り、期間的に1カ月足らずだと言う事もありで、状況的にも反対する訳にはいかなかったのも私にとってはちょうどタイミング的に良かった。

翌日から、私は毎日が楽しくて仕方がなかった。

朝は夫の弁当を作りつつ朝食を作り、夫や子どもを送り出す頃には上弟嫁母が台所を片付けてくれている。

洗濯を干していると、朝夫が読み散らかした新聞や散らかったリビングを上弟嫁母が片付けてくれて掃除機まで掛けてくれる。

上弟嫁母と一緒に買い物に行き、お昼は何にするのかや今夜は何を食べようかと相談するのも楽しい。

帰宅して昼食を作っていると、箸や茶碗を出してくれて、食べたら食器を洗ってくれる。

舅姑との同居では一度たりとも手伝ってくれた事がなく、姑は二言目には「嫁が居るのに姑が家事するなんて不細工な!」と言われていたので、上弟嫁母がいるだけで私は毎日の家事が比べようがないほど楽だった。

あっという間に数週間が過ぎ、入所の日を迎え嫁母を施設まで連れて行った。

施設長との話しでは、福祉から連絡が行っているので「緊急避難」と言う扱いでの入所だと、再度ここでも特別なケースだとのことだった。

書類の記入や確認事項の説明があり、一応身元引受人は誰になるのかとここでも話しがあったが、費用は全て福祉から出ると言う扱いなので私にしておいて良いと答えた。

「本来ならば血縁者じゃないとダメですが、特別ですから」と念を押された。

説明の最後で施設長さんから 「あの...。大変筋違いで言い難いんですが...これから手続きをしますので、福祉からの給付が下りるのは来月以降なんですね...。ですから...あの...それまでの間のお小遣いを、1万円でいいので置いていって貰えませんか?」と言われた。

入所者が自分の好みのおやつを買ったり、欲しいものがあった場合に使う小遣いが必要だとの事だった。

乗りかかった船だしょうがない。

上弟嫁母の前で1万円を財布から出した。

嫁母は 「お姉ちゃんにこんな事まで...申し訳ない・・・ごめんなさい...」と言っていたが、できれば区役所の担当さんから前もって聞かせて貰いたかったもんだ。

持ち合わせがなかったらどうする気だ。

上弟嫁母の部屋は日が当たる明るい白を基調にしたワンルームで、「ここに今日から!?」ととても喜んでいた。

「また来るから」と言い残して帰宅し、上弟嫁に無事に入所させたと連絡した。

「別に払ってくれって言う訳じゃないからね!」と前置きした上で、1万円の小遣いを渡して来たと伝えた。

恩着せがましいが、これくらいの恩を着せてもバチは当たらない。

今後は福祉から全て給付が出るので娘には一切請求は行かないからと言うと、上弟嫁は安心したようだった。

それから私は月1で面会に行っていたが、半年目の時にいつものように施設に面会に行くからと電話をすると施設の職員さんが言いにくそうに話した。

「今ですね...Oさん(上弟嫁母)は自宅に一時帰宅しています。」

「はあ?? 自宅ってどこですか???」と聞くと、

「娘さんの所に帰って来るって行って出掛けましたよ?」と言う。

聞くと施設に入所した後、わずか数日で上弟と嫁が来て面会していたらしい。

当然そんな事は上弟嫁母から聞いていない。

どこの施設に入所しているか知らせていないので、嫁母が娘や孫の事を心配して自分から電話をし、どこの施設にいるのか喋ったんだと思った。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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