<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。
79歳の母の話です。
先月、珍しく風邪らしい風邪を引いた母。
鼻をグズグズ言わせて苦しそうだったので、早いうちに風邪薬を飲んでおくように勧めました。
うちには基本的な薬は常備してあり、風邪薬も「1回3錠」の飲むタイプが用意してあります。
それを薬箱から出してきて母の前に置いて、私は食事をしながら何となく母の様子を伺っていました。
すると、母は素直に飲んだものの、1回に3錠と知っているのになぜか2錠しか飲みません。
ほとんど飲んだことがないので勘違いしているのかと思い、「3錠だよ」と教えると平然とした顔で「知ってる」との返事が。
えっ? 知っててどうして2錠?
理由を聞くと、お茶飲み仲間の飲み方を真似しているとのことでした。
何でも、その方は風邪薬に限らず、薬に関しては独自の解釈で飲む錠数を変えてしまうのだそうです。
言われてみれば思い当たる節がありました。
去年から母は、似たような逸話を感心した様子で話してくれることが何度もあったのです。
どれもこれも、薬やドリンク剤を勝手に解釈して飲む話です。
例を挙げると、薬は1錠から飲んで効かなかったら増やしていく、効き目が弱いと思った風邪薬は睡眠剤の代わりに1錠飲む。
栄養ドリンクは1瓶の量がちょうど良くて持ち運びも楽だから、出掛けるときのジュースにする、といった感じです。
中には、朝起きると栄養ドリンクとビタミン剤を一緒に飲んで気合いを入れる人もいるのだとか。
薬を少なく飲むのは「大して重い症状じゃないから」で、睡眠剤代わりにするのは「処方箋がなくても手に入る市販薬は重宝だから」というのが理屈のようです。
そんな話を聞くたびに「滅茶苦茶だねぇ」と笑って聞いていましたが、他人事ではありませんでした。
母が真似をしているとは!
便秘薬が効き過ぎるのが怖くて少なめに飲む話は聞いたことがありますが、風邪薬や胃薬など、症状を緩和する薬はそんな飲み方は違うんじゃないかと思うのです。
母には勝手に解釈して飲むのはいけないと思う事や、症状に合った薬を適量飲もうと話をしました。
しかし、母は「細かいこと言っちゃって」と言いたそうな顔で、ニヤニヤ笑って聞き流しています。
「そんなに真剣に考えなくても、なんて考えてるかもしれないけど、薬をバカにしちゃいけないよ」
イラッとしてつい声を荒げてしまいました。
そうして半ば強引に風邪薬の残り1錠を飲ませたのですが、具合が悪くなるたびにこんなやりとりが必要になると思うと気が重いです。
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