<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女
年齢:45
プロフィール:子育て中の主婦です。
10年前、父方の祖母が亡くなりました。
85歳でした。
当時私は35歳、小さな子どもを育てていた頃です。
祖母は長い闘病生活の末、病院で亡くなり、最後の1年間はほぼ病院で過ごしていました。
その頃、私は祖母とほとんど交流がなかったのですが、ある日、祖母が夢に出てきたのです。
夢の中では、私はまだ幼い女の子でした。
不思議な夢で、祖母は白い着物を着ていて、顔には穏やかな笑顔をたたえ、私に向かって手を振っているのです。
何も言葉を発することなく穏やかに手を振っている祖母を不思議に思い眺めていると、祖母に足がないことに気づきました。
夢の中で「おばあちゃん、足がないよ!」と言った途端に目が覚めました。
久しぶりに祖母を感じて穏やかな気持ちで目が覚めました。
目覚めてすぐ電話が鳴りました。
実父(当時60代)からの電話で、祖母がたった今亡くなった、と知らされました。
あまりのタイミングに、霊感など一切ない私ですが、これは祖母が私に会いに来てくれたのだ、と感じました。
こんな体験は後にも先にもこのとき限りです。
私は3歳から5歳までの間、家庭の事情で祖母の家に預けられていました。
祖母との思い出はたくさんあります。
商店街へ買い物に行ったり、祖母の習い事について行ったり、お墓参りに行ったり、教育熱心だった祖母に平仮名を教わったことも大切な思い出です。
保育園の親子遠足も祖母と行きました。
いつも優しい祖母が大好きでした。
しかし、私の母と祖母は仲が悪かったため、祖母の家から自宅へ戻ってからは祖母とは疎遠になってしまいました。
私自身、母に気を遣ってしまい、たまに会う祖母にもそっけない態度を取っていたと思います。
私は母のことも大好きでしたが、母に祖母のことを悪く言われるのが悲しくて、祖母の話をすること自体、避けるようになっていました。
大人になってからは祖母に会うことはほとんどありませんでした。
あんなに優しくしてもらって育ててもらったのに、感謝の気持ちを伝えたこともなくそっけなくしていた私。
でも、祖母は最後に会いに来てくれたのです。
祖母のことを一緒に懐かしむような相手もいないのは寂しいことなのですが、最後に夢に出てきてくれたことがとても嬉しく、それ以来、よく祖母のことを思い出します。
若い頃は何とも思わなかったのですが、歳を取るにつれ、祖母と話したいことがたくさん出てきます。
そんなとき、最後に夢に出てきてくれた祖母の穏やかな笑顔が目に浮かび、今でも見守ってくれているんだ、となぜか強く感じます。
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