<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちーさん
性別:女
年齢:63
プロフィール:会社員。同じく会社員の夫(62歳)と現在は二人暮らしです。
主人と私は結婚してから毎年1月2日に、年始の挨拶に義兄の家に行っています。
35年ほど前のことです。
年始の挨拶は、私たちの他に義兄の友人たちも集まって、みんなで大盛り上がり。
アルコールが入って、飲めや歌えやの大騒ぎで、楽しいひとときを過ごしていました。
義兄の友人の一人、林さん(仮名)はいつも飲みながらギターを弾いてくれます。
ギターも歌もとても上手だったので、それも楽しみでした。
林さんは独身で、一人で自分の飲食店を切り盛りする働き者といった感じの人。
人気温泉地にある店には芸能人が来ることもあり、それが嬉しかったのか、誰々が来てこんな話をした、と林さんは自慢をしていました。
一人で切り盛りするのは大変だったと思いますが、仕事も順調そうで肌もツヤツヤしていたのです。
少し気になったのは、太っていることとお酒の飲み過ぎです。
そうはいってもまだ30代だったので、本人はもちろん、周りにも健康を気にする人はいなかったのでしょう。
その年、義兄から「林さんが亡くなった」と連絡が入ったときはびっくりしました。
病名ははっきり聞かなかったのですが、倒れてからあっという間に亡くなられたそうです。
あまりにもあっけなくて信じられませんでした。
その翌年の1月2日に義兄の所に行くと、驚いた表情の義兄が...何事かと聞くとこんな答えが返ってきました。
「テーブルと座布団を用意してから出かけたんだけど、帰って来たら、いつも林が座ってた席に線香が落ちてたよ」
え!? 私たちも驚いてしまって何と言ったのか覚えていないのですが、義兄たちはお墓参りに行っていないと言っていましたし、家には仏壇もなく、自宅にお線香さえなかったのです。
落ちていたお線香は1センチぐらいの小さなもので、良く分からない出来事に、飲めや歌えやの大騒ぎはできなくて、少ししんみりとしてしまいました。
義兄に林さんの思い出話をしてもらい、きっと林さんも毎年楽しみにしていたのだと改めて感じました。
林さんにとって、義兄はとても大切な友人だったのでしょう。
翌年はそのようなこともなかったので、例年通り義兄たちは大騒ぎしたのですが、林さんはきっと「またやってるな」とどこかで見ていたのかもしれません。
不思議な出来事だったので、今でも1月2日になると思い出すことがあります。
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