<この体験記を書いた人>
ペンネーム:とらとら
性別:女
年齢:53
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。サプリメントなどは成分を確認してから買うようにしています。
私が旦那(今年55歳)と結婚した、30年ほど前の話です。
私は結婚してからずっと旦那の実家で暮らしています。
義父(79歳)と義母(76歳)も一緒に住んでいるのですが、義父は大の病院嫌いで健康志向者。
よく家の裏の山に散歩に行っては、サルノコシカケやドクダミを取ってきて一人で煎じて飲んでいます。
食事前に何やら茶色いきな粉のようなものが入ったビンを取り出して、匙に何杯か口に入れて飲んでいるのも、今では気にならなくなりました。
しかし、嫁として義実家に来た頃は、それが何の粉か気になって仕方がありませんでした。
私もまだ若かったのでしょう。
分からない恐怖よりも好奇心が勝ったある日、私は何気なく義父が飲んでいる液体が気になって、「一口私もにもいただけませんか?」と言ったことがありました。
義父も快く、コップ一杯分のそれを注いでくれたのですが、それはもう筆舌に尽くしがたいものでした。
まず、匂いと色。
生臭い緑の匂いが飲む前から鼻を付き、色も黒を混ぜたようなくすんだ緑のどろっとした液体です。
とても飲み物とは思えなかったのですが、自分からくださいと言ったものを「やっぱりいりません」とは言いづらく、思い切ってコップをあおりました。
しかし、口の中に入ると、苦みやら青臭さやらが一気に口内に広がり、お世辞にも美味しいとは言えません。
さらに舌にピリッとした刺激が走りはじめ、もうそのときには身体が飲み込んではいけない! と拒絶反応を示し、お手洗いにダッシュ。
残念ながら私はその液体を一滴すら飲み下すことができませんでした。
幸い、義父は笑いながら「良薬は口に苦しって言うけんなぁ」と言ってくれましたが、正直どこが良薬なのか分からず、「いや、あれはただの危険物だ」と心の中でツッコんでいました。
その後、水で何度も口をすすいだあと、義父にその液体が何なのか聞くと、生の琵琶の葉に、生卵、生姜やらとにかくいろいろなものをミキサーで混ぜて作った特製ドリンクなんだとか。
義父が煎じたものには迂闊に手を出してはいけないという感じで、夫も義母も黙認している理由が分かった気がしました。
私も義父の自家製ドリンクや煎じたものは口にしないと決めたのですが、今でも義父はそれらを愛飲しています。
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