<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まるおじ
性別:男
年齢:53
プロフィール:専業主婦の妻と高校生、小学生の子ども2人の4人家族の父です。この春、4年近い単身赴任生活を終え、自宅に戻りました。
2021年の春、転勤で約20年ぶりに昔の職場に戻ったときの話です。
そこは私が入社してすぐ配属され、青春時代の約10年間を過ごした懐かしい職場でした。
当時のメンバーのほとんどは転勤や退職でいなくなっており、50人ばかりの部のメンバーは知らない人だらけの状態になっていました。
しかし、配属されて数日後、所用で隣の部署に行くと「久しぶり」と声を掛けられました。
振り返ると、私の新人時代に5年ほどお世話になった元上司のNさんです。
お互いすっかり歳を取ったね、と話しながら再会を喜び合い、それから仕事の合間や仕事帰りに昔を懐かしみながら、再び親交を深めるようになったのです。
そして、それから2カ月ほどたった6月初旬のことです。
私の部下の職員が産休に入ることになり、その間の代わりとして契約社員のAさんが入ってきました。
彼女は私が自己紹介をすると、全く面識がないのにもかかわらず、何か言いたげに私の方をじっと見つめてきました。
そのときは少し変わった人だな、程度にしか思わなかったのですが、Aさんは気さくで、会社にも溶け込んでいまきました。
私もよく雑談をするようになったのですが、その中でAさんは私の交友関係を聞いてくるようになりました。 Aさんは、とりわけNさんに関心を持っているようでした。
そんな中、とある昼休みにNさんといつものように雑談しているときに、この話をしながら冗談半分で「NさんはAさんの好みなんでしょうかね?」と言った私。
しかし、Aさんの名前を聞いたとたん、Nさんはうつむいて何もしゃべらなくなってしまいました。
気を悪くしてしまったかと思った直後、Nさんから過去の出来事を知らされました。
なんと、Aさんのお姉さんは、私が入社した当時、一つ下のフロアに勤めており、Nさんと付き合っていたことがあったそうです。
そして、Nさんが転勤になったとき、かなり酷い振り方をしてしまったそうで、復讐に妹を送り込んできたのでは...とNさん。
「いくらなんでもそれはないですよ」と言いましたが、それからAさんはNさんの部署にいる知り合いの派遣社員を頻繁に訪れ、昼休みに談笑するようになりました。
Nさんはだんだん追い詰められたようになり、ついにはAさんが自分の悪い噂を広められているのでは、と言い始めました。
このままではいけないと思った私は、Aさんと話をすることにしました。
自分が原因でNさんが気に病んでいる、そんなことを知らないAさんは、この会社に来たのは派遣会社から偶然姉が勤めていた会社を紹介されて、興味があったので選んだだけ、とあっさり。
私とNさんの事は昔、姉から名前を聞いていたので気になっただけで、同僚とも特にNさんの話はしておらず、彼女自身、今はお姉さんとそれほど交流もないようでした。
このことをNさんに伝えるとほっとした様子でしたが「何も気にしていないふりをしていつか復讐してくるのでは?」と恐れて、今も決して私の職場の方には来ようとしません。
関係ないというのに、いつまでに疑心暗鬼なNさん。
それだけ、Aさんのお姉さんに負い目があるようなことをしたのだろうと思います。
他人事ながら、人生どこかで報いがくるものだな、と思いました。
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