こんにちは山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年が経ちました。
前回の記事:言うことは聞かないわ、感謝はないわ...!出口のない生活の救い/山田あしゅら
日々のうっぷんをはらすべく、介護を題材にしたブログを開設した私。
ブログアップの方法などを教えてもらっていましたので、息子たちは私がこういったものを書いていることはよく知っていましたが、夫だけは興味も示さず当初は私が何を書いているかさえ知りませんでした。
ブログを開設してから半年ほど経ったころ、それまで無関心を装っていた夫でしたが、息子たちと盛り上がっているのが気になったのでしょう。
時々ブログチェックをするようになったのです。
夫がこのブログを読むことについて私はさほど抵抗がありませんでした。
しかしいかんせん、夫にとっては自分の親のこと。
悪しざまに書かれている内容を読むのはあまりいい気持ちがしないだろうと少し気にはなっていました。
ところが意外なことに夫はこの「13番さんのあな」にはまり始めたのです。
それと同時に、それまでかなり逃げ腰だった両親の現状にだんだん目を向け始めていきました。
ブログに書くということは、時に感情にまかせてしまうこともありますが、一旦文字に落とし込むことによってワンクッションを置くことが出来ます。
また、不特定多数の人の目に触れるこのブログという場が少し意識を変える作用もあり...
格好をつけるわけではないのですが、日常の事実を書きながらそのことを冷静に『俯瞰』でみる『クセ』がつくのです。
また書き続けるうち、ありがたいことに読者数がどんどん増えていきました。
当時は身内の介護をする人が周りにあまりおらず、愚痴を言いあう相手もおりません。
同じような悩みや苦労を経験した人でないと理解してもらうことは難しく、話せば話すほど壁を感じてしまうことが何度もありました。
しかし、ブログを書くことによって同じような境遇の人が自分の他にもたくさんいるのを知ることが出来たのです。
ずっと続けてきて思うのは、在宅介護は孤独に陥りやすい作業だということ。
何でもいいからとにかく誰かに話を聞いてもらいたい。
―それはブログを書いている私も、読んで下さる読者の方たちも共通する思いなのです。
同じ家で暮らしていながら、仕事で外に出ている間のことを何も知らない夫も同様です。
自分の親のことながら...いや、自分の親のことだからこそ見たくない現状から目を逸らしてしまう。
そこで私がダイレクトに
と、声高に訴えたところで反発し何も伝わらなかったと思いますが、ブログを介して伝えると
一呼吸おいてから現状を知ることで冷静に事実を受け止めることが出来るようです。
いつしか夫も両親の介護にすすんで取り組むようになっていきました。
それにたくさんいただく読者コメントも大きな効果があったみたいですよ。
...時間はかなりかかりましたけどね。
ですのでブログ『13番さんのあな』は、我が家の長きにわたる在宅介護を支えてくれた実に大切な存在だったと今でもつくづく思うのです。
【次のエピソード】要介護の義両親を義弟の家に送りつけたい!平等な介護分担の難しさ/山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
【まとめ読み】義父母の介護での「事件」満載!山田あしゅらさんの記事リスト
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。