<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まー子
性別:女
年齢:38
プロフィール:アフリカ系アメリカ人の夫と出会って13年。結婚して6年がたちます。夫は温厚、仲良しな私たちですが...。
アフリカ系アメリカ人の夫とは出会って13年。
結婚して6年がたちます。
今から遡ること15年前、夫はひょんなことからアメリカで日本勤務の求人を見つけて応募したところ、とんとん拍子で採用になり日本での生活が始まりました。
夫が来日した頃、私は東京・六本木のホテルで働いていて、近くのバーで夫と知り合い友人になりました。
当時、外資系のフライトアテンダントを志望していた私は、夫に英語の履歴書を添削してもらっていて、いつしか夫に気に入られ、交際に発展しました。
夫は仕事で日常的に日本語を使用し、流暢に話します。
今年は難関とも言われる日本の「永住権」を、人によっては1〜2年、中には取得できない方もいる中で、最短の2カ月で取得してしまいました。
これは本人もとても喜び、自信にもなったようでした。
「国際結婚」というと、華やかなイメージがあるのか、あるいは面白そうだからか、周りからはよく羨ましがられます。
確かに仰る通りで、常に2つの文化に触れることができ、帰る国は2つあり、日々面白い発見の連続で感動し、日常生活の中に「豊かさ」が溢れているのは間違いありません。
ただその反面、日本人同士だと気が付かない場面で苦労することも多々あるのです。
夫はアフリカ系アメリカ人、いわゆる「黒人」です。
よく映画に出てくるような大柄で筋肉マッチョなタイプとは真逆で、小柄でズボンの中にはシャツを入れる、いわゆるアニメオタクタイプ。
15年間日本で真面目に働き、税金を納めてきましたが、一人で交番の前を歩いていると、職務質問を受けたり、鞄の中身を理不尽にチェックされることもあります。
私といると決してされないので、後から話を聞くと悲しくなります。
夫は慣れたようで「問題ない」と言います。
そんな夫が唯一不機嫌になる瞬間がありまして...それは、レストランなどでサービスを受けるときです。
二人で入るとかなりの高確率で、店員さんは私だけを見て「日本語」で話しかけてきます。
まるで夫は隣に存在していないかのように...。
店員側からすれば夫が日本語が話せないだろうと気を利かせて私に話すのですが、夫はそれが気に触るのです。
お会計は夫が払うにもかかわらず、伝票はいつだって私の元へ...。
ここは妻として夫を立てなければ....と思い、私は店員さんに聞かれた言葉を夫に対応してもらおうと必死に振ります。
そうすることで夫はやっと真顔で日本語で話を始めます。
本人に聞いたところ、妻の目の前で無視されるのは、自分が無価値だというように感じて嫌なのだそうです。
なるほど、レディーファーストの文化圏から来ていますから、なおさら悲しくなっちゃうんでしょうね。
夫婦喧嘩で自分にとっては都合の悪いときは、いつだって日本語が分からないフリするのに、ね。
そんな我が家は今日も平和です。
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