<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女
年齢:44
プロフィール:夫、娘、息子の4人家族。夫の実家が営むレストランを手伝いながら、義父母とは半同居生活。
私は25歳のときに夫(現在47歳)と結婚しました。
もともと、インテリア雑貨や食器などが好きだった私は、新婚生活を送る部屋のインテリアや、食器などの雑貨をワクワクしながら買い揃えていました。
そしてある日、偶然入った輸入雑貨屋でアンティークのカップ&ソーサーに一目ぼれしてしまったのです。
そのカップ&ソーサーは、およそ100年前にイギリスで作られた物で、値段は4万円とかなり高価な品物。
一度はあきらめたのですが、家に帰ってからも忘れられず夫に話すと「そんなに気に入ったのなら、結婚の記念だと思って買ったらいいんじゃない」と言ってくれました。
そこで翌日お店に出向き購入したのですが、そこから私は一気にアンティーク食器の虜になったのです。
アンティーク食器は、さまざまな事情により、製造を存続できなくなってしまった物が多くあります。
世の中に出回る数が少ないので高価な物が多く、私のような一般庶民はなかなか買うことはできません。
しかし、アンティーク食器を見て、作られた当時の情景などを思い浮かべ、思いを馳せるのがとても楽しかったのです。
長女(現在18歳)が生まれるまでは、休日になると、あちらこちらの輸入雑貨店や「アンティークフェア」「骨董市」などにも出向いて楽しんでいました。
十数年間、日頃のやりくりからヘソクリを捻出し、少しずつ購入したカップ&ソーサーは、現在14組あります。
最初のうちは、購入しても観賞用に飾るだけでしたが、ある日アンティークコレクターの著書を読んで考えが変わりました。
「アンティークカップを実際に使うと、その時期の情景が目に浮かび、優雅な気分に浸れる」
そんな言葉に影響され、思い切って私も紅茶を飲んでみたのです。
当時は、娘や息子(現在13歳)も小さく、子育てと家事、仕事に追われ、毎日ゆとりのない日々を送っていました。
しかし、アンティークカップで紅茶やコーヒーを飲む数十分間だけ、自分が英国貴族のお茶会にでも出ているような優雅な気持ちになれるのです。
その日から私は、子どもたちを寝かしつけたあと、一人でゆったりとお茶を楽しむようになりました。
そしてこのアンティークカップ、私だけではなく、家族にもいい影響を与えてくれています。
子どもたちが成長し、娘は中学受験の時期を迎えたときのことです。
夜中まで勉強しているためか、朝食をきちんと食べなくなってしまった娘。
そこで、気持ちにゆとりがでればと思い、娘が朝食時に飲むカフェオレをアンティークのカップに淹れてみました。
すると、眠くて不機嫌そうに起きてきた娘の表情が変わり、ほとんど手を付けなかった朝食を全部食べるようになったのです。
さらに翌日からは、少し早めに起きてきて、時間をかけて朝食を楽しむように...。
おそらくですが、単に気分的な問題なのでしょう。それは分かっています。
でも、カップを変えただけで、気持ちが沈んでいた娘が立ち直ってしまうなんて、すごいと思いませんか?
それから私は、夫にも息子にも朝食の飲み物をアンティークのカップに淹れるという、こだわりを持つようになりました。
不思議なことにカップを変えただけで、夫も朝食をゆっくり食べるようになりました。
息子が少しかしこまって食べている様子は、とても微笑ましいです。
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