<この体験記を書いた人>
ペンネーム:文月奈津
性別:女
年齢:64
プロフィール:長男が2021年の暮れに結婚し、主人と次男の3人暮らし。この夏憧れだったステンドグラスの教室に行きます。
2020年7月、女性専用求人サイトから、スカウトメールが3通届きました。
私は1社を選びオンライン面接を受けました。
通勤時間も体力も使わない自宅でのアポインターの相場は、相手が出た場合で30円から35円。
でも私が受けた会社は時給制で、1時間1,000円は好待遇です。
ぜひ働きたいと思いました。
人事の担当者は、まじめで誠実そうな印象でした。
求人案内にはなかった会社での研修が1カ月あるといわれたのですが、コロナ禍の通勤は心配と話したら、1週間の研修でOKとなりました。
しかし、郵送されてくるはずの業務委託契約書が届かず、初出勤前日になっても出社時間の連絡もありません。
主人は、「こちらから電話する必要はない。連絡が来るまで行かなければいい」と言いました。
この主人のアドバイスを聞くべきだったと、今では思います。
夜にやっと返信があり「業務委託契約は、明日します」と担当者に言われ、翌日出社しました。
そして初日、出社すると研修を受けているのは私1人でした。
いきなり厚みのある書類を渡され、「13時までに読んで、プリントにある質問の回答を書いてください」と言われびっくり。
13時までに文書を読み切り、回答を書くのは無理だと思うような分量でした。
なんとかやり切り帰社時間になると、「業務委託契約書は明日の朝します」と言われました。
不信感が拭えませんでした。
次の日の朝も契約書の話はなく、私は午後から実際にアポをとることとなりました。
プロジェクトのマネージャーに「業務委託契約書を見せていただいていません」と訴えると、「上司に伝えておく」と一言。
アポを取る対象の商品は良かったので、私は契約書が気になりながらも熱心に電話をかけました。
結局、契約書を手にしたのは、1週間の研修の最終日でした。
保証人として主人の署名がいるといわれ主人に見せたところ、「3つも誤字がある。いい加減な書類に署名はできない」と言われ、私はもう一度ゆっくり書類に目を通しました。
今まで派遣会社で何度も見てきた雇用解約書とは異なるのは当然としても、会社側から一方的な条件をつきつけられているように感じました。
中でも「関わっているプロジェクトの条件が優先される。業務提携期間中であっても、プロジェクトの終了を持って業務提携は終了するものとする」という項目が気になります。
そのうえプロジェクトの条件提示すらされていないのでは、判など押せません。
私は、マネージャーと担当者にメールで契約書の内容と研修で感じたこと、これ以上働く意思がないことを伝えました。
担当者から、「契約書は専門の人に相談して作ったもの。できれば続けてほしい」とのメールが届きました。
ですが働く意思はないことと、交通費と5日間の賃金の合計、銀行の振り込み先を返信しました。
しかし給料支払い予定日の25日になっても振り込みはありません。
2日後問い合わせのメールをしたら「研修時給を設けている。研修時給は600円だから、請求金額が違う」といわれました。
研修時給は求人案内にはないし、600円の研修時給なんて聞いたことがないと腹が立ちました。
ともかく先方の振り込み指定日を待ちましたが、やはり振り込まれていませんでした。
主人はあきらめてさっぱりしたらと言いますが、夏、暑い中を研修に通った私は納得できません。
「○○日までに振り込まれていなかったら、労働基準監督署に相談に伺います」と、私はついに強いメールを送りました。
夜に口座を見たら、やっと振り込まれていました。
不意にふりかかった夏の事件は、ようやく決着したのでした。
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