<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くあら
性別:女
年齢:53
プロフィール:マスクなしで出歩きたいけど、化粧をしなくていいのは便利だと思うズボラ50代。
バブルの頃、20歳前後だった私は、アルバイトで稼いだお金のほとんどを衣料品につぎ込んでいました。
肩パッドの入った真っ赤なミニのスーツや、おへその見えるタンクトップ、上から下まで黒ずくめなマントのような奇抜なワンピースなどなど。
ファッション雑誌、あるいはショップ店員(その当時はハウスマヌカンと呼ばれていました)と相談して買いまくっていました。
大学に行く時も毎日違うコーディネートに頭を悩ませ、勉強をしに行っているのか、ファッションショーをしたいから行っているのかわからないくらい。
そんな私を見て母はいつも呆れていました。
「学校へ行くのにそんな格好しないといけないの?」
「遊びに行くの? 大学でしょ? 何しに行くの?」
そんなことを言われていました。
ディスコへ行くために、普段以上に着飾って出かけようとする私にかけた言葉は忘れられません。
「ちょっと待って! そんな格好で電車に乗るの? せめてタクシーで行きなさい!」
後ろから悲鳴のように浴びせられた母のこの言葉。
これを振り切って家を出たことも度々ありました。
昭和ひとけた生まれの母と私では、感覚がまるで違うんだと思った覚えがあります。
現在、娘が20歳を越え、まさにファッションのことしか興味がないような年頃になりました。
ただ、私自身は、30数年前の母よりは自由な考え方を持っていると自負していたので、娘のファッションも見守ることができるだろうと思っていました。
けれど、娘のチョイスする服や「見て見て、めちゃくちゃかわいい!」と見せてくる写真に頭の中が「はてな?」になっている私がいて、苦笑してしまいます。
分厚いニットなのに肩は丸出しなのを見て「寒いのにそんな肩を出さなくても」と思い、「冷え性を悩んでいるくせに、なんで真冬にノースリーブのニットを着るの?」と呆れ...。
そして、髪型に関しても「せっかくのサラサラで綺麗なロングヘアを半分ブルーに染めなくても!」とことごとく反対している始末です。
昔は自分も真冬におへそを出してほっつき歩いていたくせに。
そんなことを繰り返すうちに、いつの時代も今の自分の感覚にそぐわないことは納得できないものなのだな、何でもかんでも価値観を押し付けるのはやめようと思えるようになりました。
私の娘に子どもができてその子が年頃になった時、どんな反応をするのか今から楽しみです。
真っ当な意見で反対しているんだろうな、と。
そのときシレッと「あら、おばあちゃんはすごくかわいいと思うわよ」と言ってやろうと想像しては、ひとりほくそ笑んでいる今日このごろです。
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